ブナの沢旅ブナの沢旅
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2023.10.03
倉見川高場沢
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2023年10月3日

仲間が新しい沢靴の試し履きをしたいというので短めの緩やかな沢を選んでみた。先週の山旅の余韻のせいか足尾に目が向かう。気持ちのクールダウンも兼ねて袈裟丸山西面に詰め上げる倉見川の支流、高場沢へ。ナメが多い沢だという。

根利から栗原川林道を進み二つ目のゲートで車を停めると作業ダンプがやってきてゲートを開けたため尋ねるとまだ先に進めるという。高場沢出合の石楠花橋まで入れるようだがレンタカーなので慎重に進み数百メートル手前から歩き始めた。

石楠花橋先の広場から踏み跡を辿り堰堤の梯子を下って沢におりた。薄暗いゴーロ沢から始まるが徐々にナメがあらわれ、しばらくはナメとゴーロの繰り返しとなる。

 

沢幅が狭まりナメは大岩の間をすり抜けるように流れる。序盤が単調だったので楽しいところだ。

 

大岩を越えると雰囲気が一変して穏やかな渓相となり、高場沢のハイライトともいえる美しいナメ滝が続く。

 

 

 

再び平瀬のナメとなると左岸の台地に石積み跡があらわれる。鍋釜などがいくつか山腹に散乱していてかつての人の営みを思わせる。もう何もないかなと思う頃大きな釜をもつ三段滝があらわれる。左岸を簡単に巻けそうだったがせっかくなので直登してみることに。右側からへつって近づくと水流右側が階段状で見た目よりも容易に登れた。

 

 

その後もナメは続くがしだいに沢床が荒れ始めたため1200m付近で遡行を終了した。靴を履き替え緩やかな斜面をひと登りで林道にでた。高場沢支線の林道は未だ現役の様子で、崩れたところはしっかりと補修してあり新しい木のガードレールも敷かれていた。

林道が倉見川本流に並走するところからは倉見川のナメを見下ろし、本流も面白そうだなと思いながら出発点の石楠花橋にもどった。あわせて3時間半ほどの沢歩きだった。

 

見どころは短い沢なのでわざわざこの沢だけのために東京方面から出向くほどではないけれど、下山路で林道が倉見川に接近するあたりから川を下降するとより楽しめるのではないかと感じた。