ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.11.18
丹沢 ヨモギ尾根
カテゴリー:ハイキング

2022年11月18日

先週の破間川の山旅後、大学時代の友人達と久しぶりの親睦旅行に出かけたため慌ただしい日が続いた。それでも天気が良ければ軽く歩きたくなる。週末を避け、ちょうどいい機会だと、ずっと気にかけていたヨモギ平に行ってみた。神奈川県一と言われるブナの巨木に対面することも楽しみだった。

ヨモギ尾根は札掛から取り付くのが一般的のようだが、当初は小さな沢からアプローチしようと思い手前のオートキャンプ場からのルートを予定した。結局当日にひよって沢はやめた。最近はそんなことが多いなと思いながらヨモギ平から派生する枝尾根を登る。

結果としては、これがむしろいい選択だったようだ。取り付きの植林帯を抜けると気持ちのいい自然林の広尾根となった。背後には大山と北尾根から派生する支尾根の展望がいい。1時間ほどであっけなくヨモギ平へ到着。朽ち果てたベンチや道標、さらに舞台のような広い板の間まである。

雰囲気のいい公園広場のようだ。一服するまでもなく、まずは目当てのブナの巨木探索のため尾根を下る。知らずに尾根を歩くとブナには気づかないかもしれないが、ブナ探しのモードになっていたので大きく張り出した枝がみえたところですぐにわかった。

近づけば近づくほどその大きさに驚かされる。ブナの巨木は各地で見てきたが、(なにしろ「ブナの沢旅」ですからね)これほどの、健全な姿の巨木は初めてかもしれない。おまけに各地でブナの巨木の倒壊が報じられて久しい今、とても貴重な存在だと思う。

両手を広げてみてもカバーできたのは3分の1にも満たず、胴回りは5m前後か。樹齢は何百年だろう。新緑の季節にメジャーをもって再訪したい。あたりは伐採二次林と植林帯。10年ほどまえに冠岩沢を遡行して埼玉一のブナを見た。その後倒壊してしまい多分私たちが最後の目撃者となった。

最近では鍋倉山の森太郎がついに倒れたという。只見沼の平のブナ太郎も今は残骸が認められるだけ。未見ながら和賀山塊の日本一のブナも何年か前に倒れたらしい。ヨモギ尾根のブナはずっとこれからも元気でいてほしい。斜面にどっしりと根を張り、尾根の片面は植林帯なので厳しい雨、風にも強いのかもしれない。

近くには兄弟のような大木もみられ、まるで森太郎と森姫みたいだ。ここはヨモギ太郎とヨモギ姫かな、なんて思う。ヨモギ平に戻り板の間ベンチでコーヒータイム。落葉が一面を柿色に染めている。二重山稜のような地形の大きな窪地はいまだ緑が生える木々も点在してとても美しい。まるで桃源郷のようだと、うっとりする。

長倉尾根や表尾根方面の展望を楽しみながらヨモギ尾根を登るとモノレールがあらわれる。三ノ塔から烏尾山に向かう尾根が近づくともう一本のモノレールと合流する。地図を見ると直下には林道が通っているようだ。おまけに沢筋は堰堤の連打マーク。表尾根にでるとさっそく登山者が行き交う。

ちょっと登山道を離れるだけで、まだ自分の知らないいいところが丹沢にもたくさんあるのだろうなと思えた山歩きとなった。

 

 

  

 

 

 

 

 

水沢左岸尾根8:30ーヨモギ平9:35/10:45ー三ノ塔12:00/13:00ー大倉14:45