ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.10.13
葛根田川 戸繋沢〜中ノ又沢〜大白森
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2022年10月13-14日

会越の沢を計画していたが紅葉には少し早いこと、北東北の予報が好転したことなどから予定を変更し、紅葉の葛根田川へ。いつも土壇場で変更するため馴染みのお気に入りの沢となった。戸繋沢を最初に遡行したのは11年前のこと。小和瀬川の中ノ又〜スズノマタ沢から葛根田川中ノ又沢を下降して戸繋沢を歩いた。こうした小さな沢たちがまだほとんど知られていない時代で未知の沢にワクワクしながら遡行したことを覚えている。

今回もできればスズノマタ沢を歩きたかったが林道歩きがあまりにも長くなってしまったため急拵えの山旅では無理だった。いつかルートを工夫して再訪したいと思う。以前のコースタイムはあてにならないため、今まで2回の戸繋沢を絡めた行程よりも短い周回コースとした。

蟹場温泉から登山道を歩き戸繋沢源頭へ下る。一昨年は戸繋沢を遡行して詰めた登山道でクマに遭遇し、しばらく様子見で停滞した。クマの様子を監視したブナの大木に手をまわし、当時のことを改めて思い出しながら懲りずにまた来てしまったと思う。

金掘沢出合まではおおむねゴーロ沢だが、下るほどに穏やかなナメ沢となる。もう少し青空を期待したが予報では午後からだったなと思う。降っていくと沢幅が広がり先が切れ落ちた平らな空間となる。今では有名な「ミニミニナイヤガラ滝」だ(ちなみに「ミニナイヤガラ滝」は大深沢にあり、そのさらにミニ版)。今までで一番水量が多く美しい。その先、両岸の枝沢の滝が出合うゴルジュも迫力ある。初めてだと通過できるか不安になりそうなところだが、そこはやさしい戸繋沢。ちゃんとルートがある。

葛根田川本流に近づくと期待通り青空が広がり、大石沢出合へ。前回は本流を遡行しこの出合の台地にテントを張ったところだ。日向ぼっこをしながら長めの休憩をとり中ノ又沢へ進む。葛根田川は少し下流のお函から中ノ又沢上の大滝までが一番美しいところで、あとは綺麗だけれど意外と川原歩きが長い。葛根田のハイライトを気持ちよく歩くと中ノ又沢出合となる。

中ノ又沢は出合付近に小滝が連続する以外はほんとに歩く沢だけれど、川岸までブナ林が広がる。広々としたテン場に泊まりたかったのでいくつかの候補地はパスして進む。しばらくすると左岸の川原奥に砂地の平坦地を見つけた。少し草刈りをすればいいテン場になりそうだとザックをおろした。整地と薪集めに精を出し焚き火テントライフを楽しんで初日を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

朝はそれほどの冷え込みもなかったので焚き火のそばで朝食をとった。快適なテン場を後にして、ゆらりゆらりと中ノ又沢を遡行。中流域は以前よりもかなり荒れていた。以前は下ったので読図の労はなかったが、上流では地図に出ない平坦地の小沢がいくつもあらわれルート取りに神経を使った。すこし間違えたりしながら999m南の鞍部登山道にでた。

大白森山荘に立ち寄って休憩後、大白森湿原へ。沢遡行後の登りは年々辛くなっているが大白森はそんな疲れを忘れさせてくれる開放的で気持ちのいい空間だった。乳頭山から秋田駒の稜線や岩手山、遠くに森吉山などの展望もいい。花の季節もきっとキレイだろうなと思えた。登山道を歩くだけだからとコースタイムや標高差など気にしていなかったが、ちゃんと見れば結構な距離とアップダウン。登山道に出た時は余裕で日帰り温泉に入れると思っていたが最後はヘトヘトになりながらの下山となってタイムアップ。最近は山に行くたびに体力低下を思い知らされるが、それでもまだ山旅は続けたいと思いながら長い帰路についた。

 

 

 

 

 

 

蟹場温泉6:45ー戸繋沢下降点8:00/8:20ー葛根田川12:40/13:10ー中ノ又沢14:00ー幕営地14:40//7:20ー登山道10:30/11:00ー大白森12:20/12:50ー蟹場温泉15:55