ブナの沢旅ブナの沢旅
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2019.11.01
只見 布沢川大滝沢
カテゴリー:備忘録

2019年11月1日

浅草岳山麓の沼ノ平をワンデリングした翌日は、同じ只見町の布沢恵の森、布沢川大滝沢を歩いた。大滝沢といっても色々で、吾妻滑川温泉のような名実そなわった大滝沢とは趣をことにするが、里山の人々にとっては入り口に「大きな(ナメ)滝」がある沢として親しまれてきたようだ。途中までは遊歩道もあり、穏やかなナメが魚止滝まで4キロ近く続く。

布沢川大滝沢を遡行するのは3回目で、東京からは交通も不便な「なにもない」小さな沢に3回もやってくるのは物好きと言われるかもしれない。といっても、3回とも第一の目的地として歩いたわけではなく、八十里越や浅草岳、沼ノ平のクールダウンとでもいえる沢歩き。ブナの沢旅にとってはキラリと光る脇役的存在なのだ。

朝は霧が深く天候がパッとしなかった。前日の青空と紅葉の山歩きのあとではいかにも分が悪い。おまけに寒冷前線の通過で午後から雨予報となる。もう帰ろうかなどと冗談交じりに現地へ向かうと霧が晴れて青空も見え出した。他に入渓者はいないようだ。

遊歩道を進み、痩せた斜面から沢に降りる。来るたびに整備され新しい鎖が設置されていた。大滝上まで沢を下ってみる。下から見たことはないけれど、見ばえがする滑滝であることがわかる。最初は遊歩道をたどり、いつも立ち止まる二又ブナでは仲間に肩を貸してもらって遊ぶ。ブナは最初に登った11年半前と変わらないけれど、こちらは確実に歳をとっていることが一目瞭然。

 

ナメが出始める下ノ滝手前から沢へ降りる。多少水量が多目なのかこれまでよりも小さな多段滝が美しい。大滝沢を一度歩いた人は隣の沢へ入ったりもするようだが、やはり布沢川の雄としての卓越したナメ沢にこだわりたい。ブナはほとんどが二次林ながら、紅葉真っ盛りのようだ。このところ大水害や台風被害が各地で報告されているが、この辺りはそれほど影響はなかったらしい。

二俣はちょっとした両門の滝で出合っているが、前回なかった大きな倒木が見られた。今年のものではなさそうだ。当初は前回のように左俣から鎌倉山を経由して右俣を下る周回ルートを考えていたのだが、前日になって午後からしっかりした雨予報がでてしまったため予定変更。降られる前に下山しようと、右俣を魚止ノ滝まで行ってもどり、まだ歩いていない大滝沢右岸尾根の登山道へ登って起点に戻ることにした。

右俣は多少小ぶりになるとはいえナメが途切れることなく続き、荒れた様子もない。両岸は緩やかな段丘のような斜面がつづく。ちょっと長いなあと思う頃前方に小滝がみえてきた。2mほどの魚止ノ滝だ。ここで引き返すのだが、滝上に上がって少し先まで行ってみると、まだいい感じでナメが続いている。右俣を詰めると鎌倉山南の肩との鞍部にでるのだが、源頭部の地形が興味深い。710m二俣を右へ進むと鞍部の東側に続き、そこが東面の化物沢の源頭と合流し、さらに956m東に突きあげていくのだ。実際どのようになっているのか次回があれば確かめてみたいと思う。(これで4回目の理由ができた)

 

 

 

 

二俣まで戻り、しばらくは遊歩道と沢を交互に歩いて下る。右岸に「ブナ平」の古い標識があるところで斜面に上がると確かにブナに囲まれた広場のような平坦地となる。ここから少し急な斜面を登って702mの尾根にのる。多すぎるくらいテープがある。地図では漠然とした小さな尾根だが、ブナが中心の雑木林でカエデやモミジもあって色鮮やかな紅葉が楽しめる。

予報通り次第に空がくもり始め、そのうち雨粒を感じるようになる。いよいよ来たかなと思う。急ぎ足で尾根を下ると階段があらわれ、最後は鎖場のヤセ尾根を下って出発点に下った。車にもどるころには本格的に降り出すが、朝は一台も無かった車が数台駐車していた。

予定を変更して早めに戻ることにしたため、雨が降らなかったら怒るよ、などと冗談をいいながら登山道をたどったのだが、最後の最後にちゃんと雨に降られた。遡行中は青空が広がり、気持ちのいい沢歩きができたことを喜んだ。只見川沿いの日帰り温泉で雨で冷えた体をあたため帰路についた。

 

 

(だいたい)登山口8:00ー二俣9:30ー魚止ノ滝10:40ーブナ平11:50ー登山口13:10