ブナの沢旅ブナの沢旅
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2008.10.05
白毛門沢
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2008年10月5日

 

前夜のうちに水上の道の駅水行館に移動。なんとシュラフを忘れてしまったが、それほど寒くなかったのでカバーを二枚重ねてなんとかしのいだ。泊まりの山行だったら撤退しなければならないと厳しく自戒。

翌朝土合橋の駐車場に移動すると、すでにたくさんの車が駐車していた。さすが紅葉シーズンの人気の山。沢支度をしているパーティも見られた。入渓してしばらくは流木が多く荒れているが、沢が右にカーブしてナメ状の小滝が始まるあたりからはすっきりとした渓相となる。

すぐにハナゲの滝が見えてきた。去年東黒沢を歩いたときは途中からロープを引いて水流脇を登ったが、今回は時間短縮のため残置支点があるところから巻道へあがる。

白毛門沢の出合からが今回の「トレーニング」のスタートだ。出合から次々とナメ滝がかかるが、問題なく越えていける。このあと3組のパーティに追い越されるが、みんな屈強そうな青年だ。とはいえ、追い越して一枚岩を登っていった2組目のお兄さんが私の足元に滑り落ちてきてびっくり。

時間はあるので我々はあくまでマイペースで進む。滝を登れそうにないなぁと思うと、必ず明瞭な巻道がついている。しだいに大きな滝があらわれ始め、10m滝は右壁かなと思いルートを目で追う。けれど右岸に明瞭な巻き道があったので踏み跡をたどって滝上にでた。

続く小滝を左壁から登っていくと、タラタラのセンという面白い名前の15m大滝だ。右岸から大きく巻いて枝沢を2本横切って沢床に下りた。核心を通過した気分で少しほっとして休憩。

さらに滝を二つ越えるとナメ状の20m大滝があらわれる。どちら側も登れそうだが、左の方が簡単らしい。小さく巻くように樹林沿いから取り付き、上部は岩床に戻って登った。滝上には大岩が居座っており、その頭から生えている樹木が紅葉を始めていてミニガーデンのよう。

この辺りからジジ岩とババ岩が見え始める。二俣を左に進むと傾斜もましてどんどん高度を上げ始める。再び二俣となったところで少し迷いながら左に入ってしまう。奥の二俣と勘違い。けれど、すぐにおかしいと引き返し軌道修正した。

最初に見るのはガイドブックではなく地図を見なくてはね。15分ほどのロス。急傾斜で続く小滝をひたすら登っていくが、気分は爽快だ。自分では気がつかなかったが、今までにないスピードで登っていたらしい。楽しくてアドレナリンが噴出していたのかもしれない。

本当の奥の二俣を左に進むと沢は草混じりのスラブ状となって、ジジ岩の横を通過していく。見下ろすとかなりの高度感なのだけれど、手足は豊富なので不安なく登れる。ルートが左にカーブしてようやく山頂が見えてきた。最後は笹原の踏みあとをたどると山頂直下の登山道にでた。

山頂から見渡す山の紅葉はため息がでるほど見事ですばらしい。コースタイムも我々にとってはまずまず。白毛門沢は初級の沢でロープも使わなかったけれど、自力遡行ができて大満足。来年は反対側のゼニイレ沢から登ってこれるかな。

登山靴に履き替え食事をしていると、ツアー登山者が大挙してやってきて急に賑やかになる。人間の集団心理というのは恐ろしいもので、他の人たちなど見えなくなるらしい。長居は無用と、そそくさと下山。

しばらくはざれた急傾斜の下りで沢よりも緊張するが、山々の紅葉の美しさに慰められる。そして最後はお約束のブナ林で気を良くしながら駐車場に戻った。

 

 

 

駐車場7:00-白毛門沢出合7:45-二俣10:25-白毛門山頂12:45/13:20-駐車場15:30