箱ヶ森

2025年5月30日

東北の山旅最終日は、やっぱりブナの山へ。鞍掛山も姫神山もアルペンチックで好展望の人気の山だったけど、私たちにとってはどっぷりブナの森に浸ってこその、みちのくの山旅なのだ。

箱ヶ森は南昌山、東根山の志波三山と呼ばれる盛岡近郊の低山里山で、最初は三日間で三山を一座ずつ登ることも検討したが、時間やら何やらの関係で、今回はブナが卓越する箱ヶ森に落ち着いた。

登山口までの林道が途中で工事中になっていたが、作業者の方がとても親切でブルドーザーを移動させて通れるようにしてくれた。大いに感謝のお礼をして、しばらく進んだところの駐車地点から歩き始めた。

林道終点の登山口から杉林の尾根に乗るとすぐにブナがあらわれた。標高はまだ400m少しくらい。さらに登っていくとブナの純林となり谷筋は二次林ながら尾根には伐採を逃れた大木も見られるようになる。二股のブナが多く、思わず乗り上げたくなってしまう。

遊びながら気持ちのいい尾根をいくと、なぜか一本の黒檜の大木広場となる。いわれが知りたいと思った。706mのポコを越えると次第に原始的なブナ林となり道も笹藪に隠れ始める。迷いそうだがピンクテープが目印になりありがたい。

山頂の尾根に乗る手前が100mほどロープが張られた急斜面で、雰囲気がガラリとかわる。ふうふう言いながらやり過ごすと緩やかなブナの大木が点在するプリミティブな雰囲気へと再び変身。そう、これが箱ヶ森の魅力なのだと感じる。

未だ咲き続けていたニリンソウの小道をひと登りすると平たい山頂の一角に躍り出た。展望はほぼない樹林に囲まれた平地だ。今回歩いた猪去沢コースは比較的新しいコースで、西側の繋温泉からは古くから登られていたらしい。一角に古い石灯籠と柵に囲まれた対の狛犬権現が置かれていた。

下山路で簡保コースという別ルートを選ぶこともできたが、ブナの雰囲気が良かったし、わかっているコースの方が安心ということもあり、往路をもどることにした。

帰りに再び工事現場で声をかけると朝対応してくれた方がトラックを動かしてくれた。早かったですねと言われ、ブナ林がとてもすてきで、おかげさまでいい山に登ることができましたとお礼をいって帰路に着いた。

長い年月をかけて今の形になったというオガセの滝だが、渇水模様で、ちょっと拍子抜け

黒檜の大木

地元山岳会が立てた味わいのある文字の標識。早春には花が多いとのこと。

よーく見ると狛犬で、他にもあったのかもしれない

5~6ピッチあった急斜面

車窓からみた箱ヶ森

猪去沢登山口8:30ー山頂11:00/11:30ー登山口13:30

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