ブナの沢旅ブナの沢旅
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2020.12.21
雲取山〜石尾根
カテゴリー:ハイキング

2020年12月18-19日

先週の山行を終えたとき、次回はいよいよ雪山始めかなと思っていた。ところがその後山はとんでもないドカ雪にみまわれ、とても近づける状況ではなくなってしまった。たぶん年内は無理かもしれない。ということで、奥多摩に慣れよう!第二弾としてオーソドックスな雲取山から石尾根を歩いてきた。

最初は鴨沢からピストン日帰りを予定。11年前に電車とバス利用の単独でそれほど無理なく歩けた記憶があったからだ。けれど先週の酉谷山避難小屋まで同じ条件でコースタイムは1時間以上かかったわけだし、体力低下は明らかだ。そこで山小屋泊まりで石尾根から奥多摩駅まで縦走することで折り合いをつけた。

できるだけ早出を心がけ奥多摩駅に7時半に到着するが、鴨沢までのバスがないので予めタクシーを予約しておいた。今までバス以外は考えたことがなかったが、これも年齢的に自分に許してしまう。おかげで小袖登山口からの出発で余裕ができた。今は奥多摩駅ベースのタクシーは一台だけとのこと。運転手さんは道中厳しい現状を語り、使命感というかボランティア精神がないとやっていけないとぼやいていた。

11年前に歩いたときは鴨沢発が9時を過ぎていたためコースタイムとタイムリミットを気にしながらひたすら歩いた記憶がある。今回は余裕があるので新しく設けられていた何ヶ所かの「平将門迷走ルート」の標識などに興味を抱きながらのんびり歩く。いかにもテント泊のような単独の男性が何人か追い越して行った。平日なのに、さすが百名山だと思う。

延々とトラバース道を進んでブナ平にでると雰囲気が一気に変わり、雲取山までの稜線漫歩となる。西面はカラマツ林越しに展望が開ける。とても気持ちのいい尾根歩きを楽しみ、最後はちょっとハアハアいいながら雲取山避難小屋へ。小屋の裏には山梨百名山雲取山の標識があるのが意外だった。本当の山頂だと山梨県ではなく東京と埼玉の境で山梨県ははずれてしまうのだろう。ちゃんとわきまえて主張しているのがほほえましい。

11年前は東京都と埼玉県がそれぞれ別の場所に山頂標識を立てていて妙な気がしたが、今回は東京と埼玉連名の立派な石碑が建てられていた。これまた別の意味でちょっと違和感。その後七ツ石山と鷹ノ巣山にも同じ石碑が建っていた。たまたま第一陣の登山者が去った後だったので、誰もいない静かな山頂で立派な山名羅針盤を見ながら思う存分山座同定を楽しんで山頂をあとにした。

ブナ平までは来た道をもどり、七ツ石山をへて宿泊地の七ツ石小屋へくだる。9年前に長沢背稜を縦走したときに立ち寄り昔ながらの小屋の雰囲気と小屋番さんの人柄に惹かれていつか泊まってみたいと思っていた小屋だ。今は若いご夫婦の小屋番さんに変わっていたが、夕食時の雑談でそのことを話したら初代の小屋番さんは10年前になくなられたとのこと。あの時に話をした人がそうなのかどうかはわからないが、写真の雰囲気は似ていると思った。

小屋からの展望がいいので、夕暮れ時と朝焼けの山並みを存分に楽しんだ。コロナ対策で収容人数は半分にしているとのことだが、そうした中で小さな小屋を運営していくのは大変だろうと思う。夜は湯たんぽを用意してもらった。

 

 

 

 

翌日は朝食後にコーヒーを入れてもらい、ゆっくり7時20分に出発する。高丸山の巻き道は一部登山道崩落のため通行止めだったが、たまたま前夜に小屋番さんからの朗報。登山道整備がちょうど完了したのでロープで止めてあっても歩くことができると教えてもらった。案の定新しい木橋ができていて、たぶん私たちが最初の通行者だといいながら通過する。巻き終わったところで尾根の登山道にもどり、日陰名栗山から鷹ノ巣山の気持ちのいい広尾根を展望を楽しみながら進む。

相模湾から横浜みなとみらいのランドマークタワー、ベイブリッジまで見える。丹沢山塊が大山から大室、加入道山、さらに御正体山まで東西にずらりと並んでみえたのが新鮮だった。石尾根はかつて山の会に一時所属していた時に歩いたことがあるのだが、雲取小屋泊の長いコースとなったため奥多摩駅までほとんど巻き道を歩いた。今回は多少のアップダウンはあるものの尾根通しだったので、とても新鮮に展望を満喫できてよかった。

日陰名栗山は記録的な大雪の2014年6月に日陰名栗沢を遡行したところ谷はほとんど雪に埋もれていて登り上げた山で下ったヤケト尾根のブナ林が素晴らしかった記憶があった。今は石尾根北面の尾根は登山道のある稲村尾根を含めすべてロープで通行止めになっていた。昨年の台風19号はほんとにすさまじかったらしい。

六ツ石山を過ぎたあたりからは北面の巻き道が続き、植林帯が増える。そろそろ消化試合的な気分となって三ノ木戸林道に降り立つ。さらに車道と巻き道を交互に下り、最後は羽黒三田神社という立派な神社の境内を通って奥多摩駅についた。

最後が少し冗長に感じられたが、石尾根はとても気持ちのいい足にもやさしい展望の尾根で、季節をかえて新緑と花の季節にまた歩いてみたいと思った。

 

 

 

小袖登山口8:10ーブナ坂11:05ー雲取山12:30/13:00ー七つ石山14:40ー七ツ石小屋15:05//7:20ー日陰名栗山8:40ー鷹ノ巣山9:45ー六ツ石山分岐11:25ー奥多摩駅13:45