ブナの沢旅ブナの沢旅
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2020.09.29
猿ヶ石川滝川又一沢〜薬師岳
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2020年9月29日

遠野の道の駅「風の丘」で快適な一夜を過ごし、早朝早池峰神社奥の早池峰登山口へ移動。広い馬留の駐車場から登山道となる。遡行する又一沢の又一の滝が名所となっているようで、看板があり滝下には小さなお社がある。無事に戻れるようにと鈴を鳴らしてお参りしてから滝を巻くように付けられた登山道をすすむ。

又一の滝は下からは見えないナメが滝上からずっと続いてとても優雅な雰囲気だ。登山道が沢を横切るところから入渓するが、しばらくはゴーロなので沢沿の踏み跡をたどり、ナメが卓越するようになったところから本格的に沢歩きを始める。

又一沢のナメは昨日の桧山川のナメと違って階段状の岩盤が続く渓相で、小ぶりながらダイナミックだ。顕著な滝はないけれど、沢全体が階段状の滝といってもいいような様相をしている。苔で覆われた岩畳のナメは美しい。かと思うと沢は樋状の水路のような形状となる。つぎつぎと形の異なるナメ滝があらわれ、すべて容易に歩いて進むことができる。あえていえば、すこし滑りがあった。

1150mの二俣を左に進むと大岩ゴーロ滝に変わり早くも源流の風情となる。又一沢のハイライトは1000mから標高差で200m弱と短いが、傾斜が緩いのでその間十分に楽しむことができる。早くも登山道に抜けるための心の準備が始まる。細かい分岐ごとに確認しながら最後は1340mの二俣を水流の細い左に入る。しだいに沢型が不明瞭となりいよいよヤブ漕ぎとなる。できるだけ点在する大岩ぞいに上るとヤブが薄いが岩や木の間をくぐり抜けたりして時間がかかる。

登山道に出るまでに時間がかかるようなら薬師岳山頂は諦めようと思っていたが、ヤブの間から真っ青な空に映える凛々しい山頂の姿を見たらなんとしても登りたくなった。小一時間ほどで登山道に抜けることができたのは私たちにとっては上出来だ。

さっそく山頂に向かって登山道を登り始めるが、足が重くてとてもつらい。樹林帯を抜けて展望が得られるところまでと言い聞かせて踏ん張り、そんなことの連続でだましだまししながらなんとか薬師岳山頂にたどり着いた。すばらしい展望だ。目の前にどーんと早池峰山が構えている。二日続けて短い沢をサクッと登って降りて来るだけではつまらないと思ったので、二日目は沢から展望の山頂に登ることができて嬉しかった。たくさんの山々の展望がえられたのだが、全体を俯瞰できる地図を持ってこなかったので、大まかな方角しかわからなかったのは残念。

あまり長居はできないので他の登山者が登ってきたところで下山することに。下りは早い。概ね歩きやすい道だ。1250m位からはダケカンバからブナ林となる。急斜面をどんどん下って沢に近づき始めると素晴らしいブナの森が広がり目を奪われる。岩手をはじめ東北の山はどこにいってもブナの森がいい。ふたたび又一の滝下に降り立ち、お社に無事帰ってきたことを報告して車の待つ登山口にもどった。

 

 

 

 

 

 

馬留6:30ー又一滝7:00/7:20ー1460m登山道12:10ー薬師岳12:50/13:10ー渡渉点14:50ー又一滝ー馬留15:40