ブナの沢旅ブナの沢旅
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2020.06.06
軍刀利沢〜熊倉沢左俣東沢下降
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2020年6月5日

足慣らし沢登りの2回目は秋川の軍刀利沢を登り、懸垂しながら熊倉沢左俣を下降、の予定だった。かつて2007年4月に、ブナの沢旅の仲間にとっては初めてと言ってもいい沢登りだった沢だ。今思えば自分もたいして経験がないのに初めての仲間と軍刀利沢に行ったなんて大胆だったということを、今回久しぶりに遡行して改めて感じた。

というか、10年以上もたっているのにほとんど進歩が感じられず、あいかわらず滝は巻いてばかり。多少の言い訳をすれば、バス停のベンチで朝食をとったときにヘルメットを置き忘れてしまったことでかなりの自粛山行になってしまったのだった。安全第一で無理をしない、沢下降は中止という条件で、不安がる仲間をなだめての遡行となった。ちょうど1年前の同じ日に、足尾の沢で怪我をして以来本人よりも仲間の方が慎重になっている。最近こうしたうっかりミスが多く、加齢のせいばかりにしてはいられないと自戒しての入渓となった。

入渓点までの矢沢林道は途中崩落のため入口の落合橋で車両通行止になっていた。登山者も控えるようにとのことだったが、自己責任で通過する。入渓点にはこの間を降りなさいと言わんばかりに赤テープが2箇所ついていた。

沢は多少荒れた感じはあるが遡行に支障をきたすほどではない。入口のミニゴルジュを過ぎると記憶にある2段滝が美しい。ちょっと長いゴーロを過ぎると逆くの次滝を左から越える。苔むしたナメ小滝をこえたり巻いたりして順調に通過する。2段10m滝は軍刀利で一番大きく美しい滝ではないだろうか。直登はできないが、巻道は明瞭で落ち口へのトラバースにはロープが張られている。

その後も数メートル程度のナメ滝やトイ状滝を登ったり巻いたりして進む。2011年2回目に来た時はクライマーのお姉さんと一緒だったので出来るだけ巻かずに登った、というか時にはお助けで引き上げてもらったのだが、最近は自力で頑張ろうという気力もあまりない。むしろ、登れないならうまく高巻く術を身に付けたいと思ったりしているほどだ。(高巻きの方が危険な場合も多いのは承知なのだが。。)

最後の10mナメ滝を巻いて滝場は終了。分岐のたびに地図をだして鞍部の三国峠へ抜けるルートを進む。次第に斜度は増してくるが階段状の滝が続いてどんどん進めるために息があがる。源頭部もすっきりとしてはいたが、最後はぐずぐずの泥斜面を詰めて笹尾根に乗り上げた。少し標高は高くても三国山近くに詰めた方が最後まで足元がしっかりしていたことを後で思い出した。

 

 

 

笹尾根は標高も低い地味な尾根だが、ゆったりとした自然林の小道で雰囲気がいい。少し登り返した軍刀利神社で沢装備を解いて小休止後、軍荼利山から北に延びる仕事道を下る。概ね歩きやすい明瞭な道だが、最後の沢に下るところが痩せ尾根の急斜面で足場が悪かった。尾根下りは予想以上に時間がかかった。バスの時間が迫っていたので最後は急ぎ足でバス停へ向かう。最大の関心事は果たして置き忘れたメットがあるかどうか。車道から見えた時には思わずよかったぁ〜〜と叫んでしまった。なにしろ今までの倍の値段の新しく購入したばかりのものだったから。

奥多摩方面はなんとなく遠いというイメージで最近はすっかり足が遠のいていた。今回久しぶりだったが、こういうこじんまりした山域も悪くないと思うことができてよかった。

 

南郷バス停8:00ー軍刀利沢出合8:50/9:10ー三国峠12:30ー軍荼利山12:50/13:20ー軍荼利山北尾根ー南郷バス停15:05