2023年12月10日
今月初旬に甲相国境尾根を歩いた時いつもどっしりと大きく見えていた山が御正体山だった。山域でいうと丹沢には入らないが、丹沢から近いお隣山で丹沢最高峰の蛭ヶ岳よりも8.5m高い立派な山だ。けれど展望がほとんどない地味な山なので、休日でも静かな山歩きができる。
御正体山は13年前に山伏峠から登り、ブナやモミの木の大木が多い原始の森の雰囲気がとてもよかった。別ルートはどんなものかと歩いてみた。
都留市駅から道坂隧道行きのバスに乗ると満席になるほどの登山者が乗車していたが、御正体山に向かったのはわずか数名ほど。ほとんどが反対側の今倉山方向に行く人たちだった。数年前にバスが運休になった年末に今倉山から二十六夜山を歩いたことがあるが、随所に展望地があり変化にとんだ尾根歩きだった。樹林帯をひたすら登るだけの山との人気の違いは明らかだと、登ってみてよくわかった。
晴れた日曜日だというのに山頂には誰もいなかった。山頂と言っても樹林に囲まれた広場のようで小さなお社がポツンと脇に立っているだけでちょっと味気ない。13年前に来た時は真新しかった古びたテーブルと傾いたベンチを懐かしんでザックをおろした。
食事をとりながら一時間ほどのんびりして峰宮跡方面にくだる。御正体山は信仰の山と言われており、18世紀後半に美濃国生まれの妙心上人が故郷を離れ富士山に籠って修行したのちに御正体山の上人堂にこもって座禅断食し「ミイラ」になって上人堂に祀られたという歴史があるらしく、峰宮跡や上人堂跡などが残っている。(以上は麓の案内板の超訳的受け売り)
何はともあれ、電車もバスも賑やかなところで静かな山歩きができたのだから、まあいいことにしよう。
道坂隧道登山口8:45ー岩下ノ丸9:50ー白井平分岐10:50ー御正体山11:35/12:25ー林道13:45ー三輪神社登山口14:35