ブナの沢旅ブナの沢旅
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2023.08.01
安達太良 石筵川〜船明神山
カテゴリー:備忘録

2023年7月25-26日

沢シーズンに入って初めてのテント泊。日帰りの短い沢ばかりで気持ちがくすぶっていたので、ようやく再開と喜んだものの、いざ計画となると体力的に自信がない。あれこれ引き出しから引っ張り出しても、林道歩きが長いとかアブが多いとか尾根歩きがきついとか、注文つけ放題でどんどん選択肢が狭まった。

そんなわけで、余裕のあるルートで難しくなくてきれいで遡行経験の安心感があって。。と、安達太良の石筵川を選んだ。我ながら保険かけすぎとも思うけれど、これからはこれがブナの沢旅のスタンダードなのだろう。ザックの重さも極力抑えた。

郡山駅からレンタカーで母成グリーンラインを北上し、登山口の手前から牧場の車道に入って銚子ヶ滝登山口に駐車。気をつけないとグリーンラインの登山口から牧場の車道を歩くことになるのは既に経験済みだ。

和尚山登山道を進み石筵川の渡渉点となる川原で沢靴に履き替える。銚子ヶ滝は前回立ち寄っているのでパスした。石筵川はしばらくは緩やかなゴーロ沢。釣り師が一組先行していたので挨拶をしてしばらく巻道をたどる。釣れますかと聞くと、魚影はあるけれど今日は釣れないとのこと。

大滝まではゴーロとゴーロ滝の繰り返し。最近の記録で大滝の岩壁が一部崩落して難しくなっていることを知ったので、万一のため高巻きできそうな場所を探しながら進む。大滝についてルートを見上げると確かに岩壁の一部がごっそりと剥がれて無くなっている。ザックをおいてまずは偵察がてら一段上がって観察する。どうも無理そうだが何もせずに引き下がるのも不甲斐ないので、ロープを引きザックを踏み台にしてずりあがると残置に手が届く。

シュリンゲをアブミがわりにかけて乗り上げてみるがもう一段上がらないと乗り上げる岩に手がかりがない。ハイステップもできずに少しあがいてみるが、やはり難しい。それに万一這い上がっても荷上げをして仲間を引き上げるのは無理だと思い、戻ることに決めた。心配そうに見上げていた仲間もそれを聞いてホッとしたようだった。

ひと休みして少し戻りながら高巻きルートをさぐる。地図からもわかる通り切り立った岩壁が続いているので高巻きも容易ではなさそうだ。岩壁が途切れたように見える箇所から取り付き、50mほど急斜面を登ると広尾根にでた。思ったよりもスムーズで安堵し、先行した仲間をねぎらった。

和尚山の登山道から大滝上の沢に下る人もいるようで尾根には踏み跡があった。なんとなく下降点に導かれ、窪を下るとちょうど大滝上だった。目の前は石筵川のハイライトともいえる川幅一杯のナメが広がる。今回は大滝越えで苦労した分よけいにうれしかった。

気持ちのいい沢歩き。少しずつ変化もあり岩畳やナメとナメ滝を楽しく越えていく。1200m付近で前回2015年に泊まったテン場があらわれる。8年間で使いこなされた感があり整地が不要だったが、そういうテン場の常として薪が取り尽くされている。焚き火を楽しみにしてきたので薪集めに小一時間ほどを費やし、なんとか体裁を整えて焚き火のもとでのんびり夕食をとる。いつも大好きな時間だ。焚き火の青白い煙が森に漂う雰囲気が好き。やっぱり沢泊まりはいいなあ〜と、ひさしぶりの感慨に浸りながら初日を終えた。

 

 

 

(右の写真は崩落前の岩壁で、過去2回は空身で難なく登っている)

 

 

 

 

 

遡行後の暑さが気掛かりだったので早立ちを心がけ6時には出発する。2008年に泊まった1280mのテン場が懐かしく、のぞいてみると最近はあまり使われていないようで少しササが生えていた。やはり最近は1200mに一点集中しているようだ。次第に沢にも陽がさし始めた。柔らかい陽が森を包み沢水が煌めくとほんとうに美しい。

右は和尚山の尾根に抜ける1380m二俣を左に進むとナメからゴーロにかわり、しだいに藪っぽくなる。ただ前回よりも藪は薄くなったような印象だ。前方が開けて稜線が見えてくると雰囲気が一変。緑に覆われた安達太良山が美しい。紅白のペンキマークや岩ゴロゴロの反対側の登山道から見える景色と対照的だ。そういえばくろがね小屋が閉鎖されて数ヶ月、解体作業は始まったのだろうか。

船明神山付近に詰め上げる左沢へ進む。こちらは沢床が赤茶けたナメとなりすぐに涸沢となって荒涼感がただよう。靴を履き替えながら安達太良山を見上げると登山者の姿が見える。あちらからも私たちが見えるのだろうか。山頂からは石筵川の源頭がどんなふうに見えるのかな。小尾根をひと登りして稜線にでた。

 

 

 

 

稜線は風が強かったのでしばらく登山道を下った樹林帯の木陰で一休み。船明神山からの下山路はとても歩きやすかったが長く感じた。最近は下山時の登山道に時間がかかっている。安達太良山はブナのイメージが薄いが、中腹からはブナ林がひろがり雰囲気のいい道を経て登山口に戻った。

今シーズンは日帰りの沢ばかりで気分が燻っていたが、久しぶりに沢に泊まって小さいながら焚き火をしてのんびりできた。やっぱり山は泊まるに限ると気持ちを新たに意欲が湧いてきた。

 

 

銚子ヶ滝入口9:15ー入渓10:30ー12:00大滝上13:30ー1200m幕営地15:30//6:00ー1380m二俣7:55ー船明神山10:35ー銚子ヶ滝入口13:15