ブナの沢旅ブナの沢旅
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2023.07.22
軍刀利沢〜熊倉沢左俣下降
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2023年7月19日

ようやく沢泊ができそうな環境になったが、予定していた二日目の天気が不安定になったため日帰りに切り換えた。いつもながらの急ごしらえで何度目かの奥多摩の沢へ。前回コースを端折ったので今度はトレーニングもかねて遡下降することにした。懸垂もやらなくなって久しい。

自分達には登れない大きめの滝三ヶ所を高巻いた他は頑張って直登。シャワーや釜に入るのも今の時期ならば気持ちがいい。藪漕ぎもなく三国峠の登山道に詰め上げ熊倉沢左俣の下降点へ。左俣東沢の上部は延々と涸窪がつづきこのまま涸沢で終わってしまいそうな気配さえ感じながら下る。

700mまで下るとようやく水が流れはじめ、最初のナメ滝を下る。つづく5m滝は直瀑なので懸垂下降。そのために久しぶりにハーネスを使用。いつもはスワミベルトで済ませているくらいの沢歩きだから。続く二段滝で迷う。懸垂支点が近くに見当たらないので小さく巻こうとしていると仲間がクライムダウンを探る。ヒヤヒヤしながら見ていると、何とすべり落ちていった。

その様子を息を呑んで見るまでもなく、あっというまに滝下の小さな釜にドボンと着地。するとすぐに起き上がって大丈夫のサイン。良かったー。大きく巻いて下り合流して様子を聞くと、本人はケロッとしている。見ていた方が驚いてドキドキしてしまった。そういえば10年以上前、足尾の沢で落石で斜面を転がり落ちた時は、自分はわりと冷静だったけれど見ていた仲間が悲壮感ただよわせていたことを思い出した。

ほとんど無傷だったことを喜び、下段の滝を巻き降りたところで大休憩とした。仲間の滑落はこれで二度目で最初は虎毛沢だったが、あの時も何事もなかった。それに引き換え私は2回とも肋骨を骨折している。そんなことを思い出し呑気な会話を交わしたが、ほんとに危なかった。これでどちらかが怪我をしたら、その時は沢の引退になるのだと気持ちを引き締める。

今回のヒヤリハット(というより、インシデント?)。沢旅の再開に先立ち、あらためて山の安全性にたいする緩んだ気持ちを引き締めることができてよかったと思いたい。

 

 

 

 

 

 

矢沢林道7:40ー入渓点8:20/8:45ー三国峠12:10ー熊倉沢下降ー熊倉林道14:50/15:20ー南郷バス停16:00