ブナの沢旅ブナの沢旅
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2023.01.15
窓明山
カテゴリー:雪山

2023年1月12-13日

今シーズンは年が明けてからの遅い雪山始めとなった。雪山シーズンになると南会津の山に行きたくなる。例年ならばもう少し積雪が落ち着いた時期を選んでいたが、今年はラッセル覚悟で行ける所まででいい、雪を踏んで山に泊まれればいいという気持ちだった。

行き先はここ数年恒例となっている窓明山。三岩山周回は最初から予定せず、ブナの森で泊まって山頂のあの山並みを眺めることができればという、控えめな気持ちで山に入った。心配していたラッセルはそれほどではなかったが、春のような陽気の重い雪で時間がかかった。それでもなんとか窓明山山頂で眩いまでの展望を目に焼き付けることができた。

たぶん、去年も一昨年も、その前も同じ書き出しだったはず。他に乗客のいないバスで窓明山登山口付近で下ろしてもらう。クリスマスから年末にかけてのドカ雪で積もったものの、その後はそれほどの降雪もない。先日からの気温の上昇で予想ほどのラッセルはないものの雪が重い。一度踏むとまた沈む。そんなわけで巽沢山まで1時間ほど多く時間がかかった。

この調子では家向山を越えることは難しそう。雪はさらに重く沈み脛から膝下くらいながら、弱小パーティの歩みは牛歩並みとなる。ぎりぎり4時近くまで粘ってようやく1360mほどの比較的平坦なところでザックをおろす。しばらく街で停滞していたため久しぶりの雪山のテント山行、どうなることかと思ったけれど、なんとか窓明山まで往復はできそうなところまで辿り着けたことを喜び、久しぶりの雪のテントライフを楽しんだ。

 

日の出を待って空身で出発する。心配性の仲間はいつも、風がなくてもテントをそのままで出発することを嫌がり、潰すことが恒例になっている。(これが仇になったことが戻ってから判明)朝も暖かく、早朝でも雪が全く締まっていない。急登に難儀しながら家向山へ。

鞍部に降り窓明山への尾根を登るにつれて雪の沈み方も浅くなり、いつものペースに戻っていった。広尾根のブナ林は低灌木がほぼ埋まっていた。何度も歩いて慣れてきたせいか、今年はここのブナは肌が乾燥気味で美しさがイマイチだな、なんて思ってしまう。だんだん自分の気持ちも乾き始めているせいかもしれない。

2本のブナの間から稲子山を眺めるのが恒例になっている。この辺りから眼下にブナ街道を見渡す。ブナ林からダケカンバ、シラビソの低灌木に変わると真っ白な山頂が見えてくる。今回は時期的なせいか風紋が著しい。最後は快適に山頂に乗り上げる。ここ数年は毎年山頂からの展望を眺めて南会津への山通いを始めている。山頂の東端から丸山岳方面の山並みをなぞる。こんな天気が続けば、今の時期でも行けそうな気がすると、これも毎年同じことを言っているような。。

 

 

 

 

 

360度の展望はいつ眺めてもすばらしいが、ほとんどは眺めるだけの山たち。(さんざ同定はこれまでさんざ書いてきたので省略)二日目は順調に進めたので三岩岳方面へと周遊できたかもしれないなんて、いつもの欲張りな気持ちが少しあらわれる。風が強くなってきた。

三岩岳方面に未練を残しながら山頂をあとにする。稲子山から坪入山にのびる尾根の鞍部に目を留める。昨年9月に道行沢からあの尾根を越えたあたりを指差して、今度はあの雪尾根を歩いてもう一度なぞってみたいと思う。これまで3度歩いてそのたびにゆったりとした尾根と谷間を眺めては下ってみたいと思っていたところなのだ。

 

 

 

雪の広尾根下りはいつも気持ちがいいもので、すべるように下ってブナ林帯へ。ハイライトはもう終わりなのでブナの大木の根元にザックをおろしてティータイム。暖かいコーヒーを飲みながら幸せな気分にひたる。

時折栃木県境方面の山並みにも目を向ける。枯木山から大嵐山までつらなる尾根を眺めると、いつか歩いてみたいと何度も思うが実現できるかなあ〜。概ね穏やかな尾根で大嵐山直前の岩場も巻いて通過できるらしい。今年はどれほど山に行けるのか。というより、行く意思と熱意を持てるのか。。

テンバに戻ると気温の上昇でブナの枝に止まっていた雪が落ちて水たまりができていた。だからテントそのままの方がいいっていったのに。。というか、たたんで片付けておくべきだった、なんてことはさて置き、時間の余裕を持ちながら帰り支度。幸先のいいスタートを切ることができた。

最終バスが以前より30分遅くなったのはいつも下山は時間に追われていたパーティーには朗報なり。直通のリバティに乗るためには駅で時間が余るため、暖房がない無人駅で所在なく待つよりもと、近くの夢の湯に浸かるとちょうどいい塩梅。これからはこのパターンが恒例になりそうだ。

 

 

窓明山登山口11:15ー巽沢山14:00ー1360mテンバ16:00//6:35ー窓明山10:00ーテンバ12:10/13:00ー登山口15:15