ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.07.12
入叶津〜浅草岳
カテゴリー:ハイキング

2022年7月8日

今の時期の浅草岳といえばヒメサユリの山歩きが定番のようだが、ブナの沢旅は全会一致でいつもの入叶津にこだわった。どのコースを歩いても浅草岳なのだから、他のコースから登ってみるのも新鮮ではないかと思うのだが。。

日程がとれれば例年のように翌日は布沢とか周辺を散策したかったが、今回は(いつものように)急拵えなこともあり、当日発の日帰り弾丸ツアーとなった。それでも9時過ぎには只見駅に到着。登山口までタクシーに乗って運転手さんとおしゃべりする中で国道289号の道路拡張工事で入叶津集落の移転が予定されていることを知った。全村ではないけれど、残る家も高齢化が進み、いずれ廃村になるだろうと。特につながりがあるわけではないが、驚き寂しい気持ちになる。

帰りの運転手さんは入叶津手前の中の沢集落出身で、今60歳近いけれど、小学生の時に父親からあと10年もしたら立派な道路ができて便利になると聞かされた。それからはやウン10年たったけれどまだ工事中。でも今度こそあと数年で開通すると。地元の人の反応を聞けば、そりゃあ、大歓迎ですよ、救急医療が迅速になるし、新幹線が使えるし、などなど。たま〜に訪れて、静かな自然の佇まいがいいなんて外の人間の勝手な思いを痛感した。

2011年秋の集中豪雨で会津川口駅付近の鉄橋が崩れ、以来只見駅から不通になっていた只見線がようやく10月1日に全線開通することになった。駅には10月1日までのカウントダウンの掲示板が立てられ、あと89日。まるでオリンピック開催前のカウントダウンみたいで、地元の人たちの期待の高さが感じられた。

駅前は全線開通に合わせているらしい駅前広場の拡張整備工事がすすんでいる。只見周辺は車がないと観光も不便だが、今年の春以降はレンタカーの配車サービスが始まったことを知った。会津タクシーが追加料金で手配をしてくれるらしい。今回は直前のことだったので利用しなかったが、只見で車の手配ができれば長距離運転がつらい高齢者も楽になると期待する。

久しぶりに只見に来ていろんなことがわかった。ところで、映画「峠」がようやく公開になったが、河井継之助終焉の地として記念館もある地元の人たちは映画を見てどう感じたか聞いてみたい。私もさっそく観に行ったけどいろいろと違和感が残ってしまった。

入叶津からの浅草岳のことは何度も書いているので簡単に。ブナの巨木が多い山神杉から平石山の道は去年なかった崩壊地が二箇所あり、年々悪くなっている。平石山からは快適なブナ林のプロムナードで、平石山のブナ林が好きで入叶津にこだわっている。もっと早い時期なら登山道に縛られずに自由に歩ける楽しみがある。いつもはもっと早い時期に歩いて雪渓を横断するところで登山道がわからずにうろうろするのだったが、今回はずっと登山道で水場に出るまでの後半がやや味気なかった。

天狗の庭から山頂までの間に少しだけヒメサユリやウラジオヨウラクが咲いていた。今の時期はヒメサユリフィーバーで鬼ヶ面のルートが混雑するらしい。入叶津からは人が少なくて静かなのがいい。朝発で歩き始めが遅いため山頂に到着する頃にはいつも誰もいない。代わりにトンボが異常発生と思えるほど乱舞していた。浅草岳は南会津と会越の山並みに挟まれている。以前はあれこれ夢が膨んだが、結局夢で終わってしまいそうだ。。

帰りの電車は乗り換えごとに接続が悪く、往路よりも1時間多くかかり帰宅したのは11時をまわっていた。長い一日だったが久しぶりの只見線の山旅はやっぱりいいなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

登山口9:35ー平石山11:25/11:45ー水場13:10/13:25ー山頂14:10/14:30ー登山口17:30