ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.01.26
谷川岳(西黒尾根〜天神尾根)
カテゴリー:雪山

2022年1月25日

年初に檜洞丸に行った後、眼の手術で人生初の4日間入院となった。退院後はしばらく山をお休みしていたのだが、そろそろ大丈夫ということでまずは軽いハイキングを経てようやく本格的な雪山シーズン開始となった。病み上がりでいきなりテント泊は荷が重いので当日発が可能な日帰りの雪山に行くことにした。そんな時は例年なら白毛門に行ったりしていたが、今年は対岸の西黒尾根に目を向けた。

3年前にも1月中旬に登っているが、この時はラッセルがきつくてラクダのコブを越えたあたりで撤退した。最近は天神尾根ばかりでなく西黒尾根も週末には必ず入山者が相当いるようだ。自分にとって西黒尾根は端からトレースが条件の山。案の定しっかりしたトレースがついていた。

登っている時は風もなくそれほど寒くもない好条件に支えられ予想以上に順調だった。それなりに緊張する場面も多かったが展望のよさに気分もよかった。ザンゲ岩が見えてくるといやらしいアップダウンも終わり天に昇るかのような雪面をひたすら登っていく。けれど見た目よりも長く感じられ次第に疲れもでてきた。早くにピッケルからダブルストックに変えればもっと楽だったのにと後になって気づいた。

時間がかかるようなら山頂はパスして天神尾根を下ろうと思っていた。かなりバテたけれどロープーウェイの最終便から逆算して大丈夫なので何とかトマまで頑張る。ピークハンターでないとはいえ、最後は山頂標識を抱きかかえる気分で西黒尾根を登ったというけじめをつける。あまり意味がない気もするけれど、これから自分にとっての雪山シーズン開始のしるしなのかもしれない。

少し風が出てきたので肩の小屋脇で風を避けながら温かいコーヒーで一息つく。オジカ沢の頭から俎グラ山稜の真っ白に尖った雪稜が凛々しい。残雪期とはいえかつてあの稜線を歩いたなんてすごいねと昔を懐かしがりながら、予定通り歩き通せたことを喜んで天神尾根を下る。

登山者はほとんどいなかったけれど、賑やかな女子Pが同じタイミングで降り始めた。少し気になったので距離を取ろうと一目散に下ったおかげで予定よりも一本早いバスに乗ることができた。そういえば、山頂では犬連れの登山者がドローンを飛ばしていた。人気の山には普段自分の山で会うことがないような人たちがいるのだなあと思った。

そんなこんなの谷川岳だったが、好天とトレースのおかげで順調に雪山シーズンを始めることができた。けれど帰りの車中で、良かったけれど何か物足りないねという話になった。それで次回はきっと、まっさらな雪のブナの森を歩こうという思いを強くしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西黒尾根登山口9:15ーラクダのこぶ11:30ートマの耳13:50/14:10ーロープーウェイ駅15:40