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2018.10.14
割引沢〜ヌクビ沢〜巻機山
カテゴリー:備忘録

2018年10月13日

好天の紅葉沢歩きで、ヌクビ沢コースから巻機山へ。ヌクビ沢は昭文社の登山地図にもコースが掲載されているれっきとした登山ルートだ。けれど最初に歩いた時の記録には「友だち以上恋人以下、的な存在だ。となりの米子沢に比べ、沢登りにはもの足りないがハイキングの対象としてはちょっと荷が重いだろう。」などと印象を語っている。今回読み返してみて、我ながら言い得て妙なのだが、一方でヌクビ沢に行った理由に呆れてしまう。当時は沢年齢未成年の若さと大胆さがあったわけで、なつかしくもある。

今回は大人の分相応な計画でのぞんだ。巻機山となるとさすがに当日発の日帰りはきびしい。最初はテントで仮眠も考えたが、もう年だし辛いので安易に流れて近くの格安素泊まり宿を見つけた。

これがとてもユニークなところで、長年海外のプラント現場を渡り歩いた人がリタイアして廃業になっていたスキーロッジを(たぶん)格安で購入して一泊2500円をうりに営業。これまでの経歴柄か、とてもオープンで自由な雰囲気のご主人で、いい加減なのも許せてしまう。自炊設備は整っており部屋も広くてまあきれい。各国語を話せるので海外からのゲストも多いらしい。そんなに客がこないだろうからのんびり経営しようと思った目論見ははずれて忙しいのがなやみだそうだ。

と、最初から話が脱線してしまったが、まず驚いたのは早朝登山口についたところたくさんある駐車場がすべて満車状態だったこと。紅葉が見頃の好天の週末。予想はしていたがこれほどとはおもわず巻機山の人気に驚く。

けれど割引沢のコースにはいる登山者はほとんどおらず、一度歩き出せばいつもの静かな沢歩きとなった。装備の様子から察するに、米子沢の入渓者の方が多かったかもしれない。けれど紅葉の具合はというと、どうも今年は猛暑の影響かどうかわからないが葉が紅葉する前に枯れかけていたり鮮やかさが少し足りない印象だ。

いくつか名前のついた滝は米子沢の滝よりも大きく見応えがあるが、すべて巻道がついている。さすがにみんな巻くのもつまらないのでアイガメノ滝下から沢に降りて沢遡行に切り替える。ヌクビ沢出合のナメ滝は前回は左側に鎖があって登れるようになっていたが、水量が多くてそんな気になれず最初から隣の巻道へ。

布干岩は一枚岩の緩やかなスラブが何枚か縦縞になったような美しい所だ。今回は滑りを警戒してフェルト靴だったため、ここでは逆に油断するとすべったりする。三俣の行者の滝は鎖のかかった水流脇の岩壁をさくっと登る。手前に一張り分のテンバがあった。

三俣から未遡行の三くら沢も考えたが、のんびり紅葉を愛でながら歩きたかったので前回と同じくヌクビ沢を稜線まで詰め上げることにした。滝の見所は終わり、ほぼゴーロ滝の連続で高度を上げていくが、周りの景色を楽しみながらなのでつまらないということはない。ただ次第に足取りが重くなる。標高差1000mを超える沢登りは久しぶりだった。

稜線にでるころ急激にガスがではじめ景色が消える。割引岳直下にいるのだけれど、だれも山頂に行きたいと思っていない。ガスが濃くなったり薄れたりの中、下ノ滝沢の緩やかな源頭部を見下ろしながら巻機山へ向かう。山頂分岐なのに山頂標識があり、多くの登山者が休んでいた。世界が変わるが、折り込み済みなので大丈夫。

展望があれば、三角点のある山頂まで足をのばし、国境稜線の山並みを見たいと思っていた。3月の末に宝川から縦走した山並みだ。山頂付近のガスは消えなかったが、下るにつれてふたたび青空が広がり、時々色づいた山並みに足を止めながら井戸尾根を下る。途中ヌクビ沢の全景を俯瞰できる見晴らしのいい所であれこれ振り返る。あんなに急な沢をよく歩いたものだと関心しながら麓に下りたった。

 

 

 

登山口6:35ーヌクビ沢出合ー三俣ー稜線12:00ー巻機山(分岐)ー登山口15:30