ブナの沢旅ブナの沢旅
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2013.12.30
小川谷右岸上段歩道~ウトウの頭
カテゴリー:ハイキング

2013年12月30日

 

暮れも押し迫った12月30日だというのに、大掃除もそこそこに山へ向かった。連日の晴天で毎朝富士山が麓までくっきり見え、おいでおいでと手招きするのだ。一人なら丹沢のつもりだったが、kukenさんが同行してくれるという。ならば奥多摩かなと、ウトウの頭のバリエーションルートを提案。今回も松浦本からヒントをもらった。小川谷右岸のタワ尾根との中間に上段と下段の水源巡視路が敷かれており、その上段をたどってウトウの頭から派生する四間小屋尾根に乗り、この尾根から山頂をめざそうという計画だ。

当日の朝、奥多摩駅で待ち合わせ、日原鍾乳洞手前の路肩に駐車。小川谷林道は一石神社の先で通行止めになっている。こういう場合は自己責任で人は通れるのが常なので、そのまま越えて行くのかと思ったら、kukenさんは律儀に神社裏の登山道から大きく巻くという。

それでは上段歩道とかけ離れるのでルートを確認すると、タワ尾根から一旦下って上段歩道に合流する考えらしかった。どう見てもルートとして不合理だ。通行止めは車や一般ハイカーのためなのだから、沢やバリエーションする人がそんなんじゃダメじゃないと、行きかけた巻き道を戻り、ゲートの柵を横からまたぐ。

左手には燕岩がそそり立ち首が痛くなるほど見上げる。圧巻だ。特に悪い所もなく進むと工事用のモノレールがあらわれる。まるで遊園地のチンチン電車のようなトロッコがかわいらしい。下段歩道の取り付きには古い標識があった。最初はロープをくぐったりして厄介だからとkukenさんは急斜面にとりつく。いきなり這いつくばって登り一汗かく。

尾根に乗ると上段歩道との分岐となり、ここからはほぼ等高線に沿った水平歩道となる。しだいにうっすらと雪がつき始めるが、適度に締まって歩きやすい。サクサクと霜柱を踏む感覚に似ている。上段歩道は古い石垣が敷かれていて荒れたところもなく快適だ。下の林道よりも歩きやすいとのこと。

何度か小尾根を回り込みながら水平道を進む。ほとんどは陽の当たらない北面だが、東に回り込むところは南面となり陽が射して雪のない斜面となる。篶坂ノ丸東尾根を越えると雪深くなり、一部雪の斜面が凍りついていたので軽アイゼンをはく。2度木橋で沢をこえるとふたたび明るく雪の消えた日溜まりハイキングの雰囲気となる。しばらく陽の射さない雪深い急傾斜のトラバース道をたどった後だったので、明るい気分になる。

ようやく1178m地点の材木小屋尾根だ。目印の逆さ鍋が半分雪に埋もれている。緩やかに広がった尾根は自然林がいい感じで続いていて、ここを登ると篶坂ノ丸だ。Kukenさんはこの尾根を登りたそうだったが、今回は予定通り先を進む。

鳥居谷左俣は苔蒸してしっとりとした雰囲気の所らしいが雪に埋もれている。右俣へ続く道はわかりにくいが赤テープがついていた。右俣を越えると南面の道となり突然のように雪が消えてふたたび日溜まりハイキング。上段歩道は歩きやすいが、雪のせいもあって意外と時間がかかっている。

そこで四間小屋尾根に合流するまで上段歩道を進むのではなく、同尾根1388mの台地から派生する鳥居谷右俣左岸尾根からショートカットすることに。これは我ながらなかなかいい提案だった。緩やかに歩きやすい雪尾根がなんとも心休まる。二人でいいね-をくり返しながら、写真をとりあいながらまっさらなトレースなしの雪尾根を進む。

途中で尾根が広がり枝沢の源頭部となる。ここでようやく昼食休憩。今回は温かいものを食べようと具だくさんのラーメンを用意した。ルンルン気分でお湯を沸かそうとして、が~~~ん。自動点火が壊れているのにマッチを忘れた!!kukenさんも持っていない。ごめ~ん。ドライバーがあればなおせると言うけど、もちろんなし。これが泊まりだったらもっと真剣にやってみるけど・・・といわれ、しゅん。かなり落ち込む。

ところが、です。あとでラーメンなんか食べてゆっくりしていたらヘッデン下降になってしまったことが判明。怪我の功名だと笑いあった。

ウトウの頭の登りが雪深く、膝下ラッセルで時間がかかってしまい山頂についたのが2時半過ぎ。楽しみにしていたウトウの標識板が2枚かかっていた。一枚は陶板だ。好きな人がいるのだなあと、御坂三国山陵の愛らしい標識のことを思いだす。

日が短いのでゆっくりはしていられない。樹林の山頂は標識板以外見るものもないので、すぐに下山する。ここからはトレースがしっかりとした登山道。ひたすら快適に下る。人形山を越え、みずならの大木に回り道して見に行くが半分崩壊していた。下山路もいくつかあるが林道が通行止めのため、新しい標識が一石神社に下るルートに誘導していた。一石山から急斜面の植林帯をジグザグにくだる。Kukenさん曰く、行きにこのルートで迂回していたら時間切れになっていたね。

暗くなる前に神社に降り立つ。いいコースだった。ショートカットした尾根がすてきだった。ガスが使えずゴメンなさいだったけれど、あんなこんなでジャストインタイムで下山できた。新緑のシーズンにきっとまた来よう、つぎは滝谷とつなげようと約束して帰路についた。

 

 

一石山神社8:25-上段歩道取り付き8:50-鳥居谷右俣右岸尾根12:20-四間小屋尾根13:30-ウトウの頭14:30-一石山神社16:30