2024年10月1-2日
しばらく日帰り山行を細々と続けてきたが、そろそろ様子見をしようと半年ぶりにテント泊を提案。不安がる仲間を説得するため以前日帰りしたこともある馴染みの小さな沢旅だ。当日発で愛子駅からタクシーを利用しようとしたところ、なんとタクシー会社が最近破産廃業したことがわかった。近場のタクシー会社に問い合わせると朝は満車だったり営業区域外といわれたり。そこで思い切って仙台駅からタクシーを使うことにしたが料金は思ったほどでなかった。と、一件落着。
いつものようにナメが始まる手前から入渓し、のんびりと沢歩き。避難小屋広場で一休みして樋ノ沢に入り、去年のテン場と思われるところでザックをおろした。一年で随分草ボーボーになるものだなと思いながら整地と薪集めに精を出す。この作業がなぜか無心になれて楽しい。半年ぶりの焚き火。今回は焚き火がしたくてテント泊を頑張ったようなもの。
青い煙があたりに漂う光景が大好き。いつの間にか日が短くなり夜の帷が早い。久しぶりのせいか装備でタープとフライを間違えて持ってきたのはご愛嬌のうちだろう。夜も冷えることなく、まるで夏の沢泊まりのようだった。あまり眠れずあれこれ思いを巡らしているうちに、テン場に来てからかすかにあった違和感が広がる。そしてやっぱりここは去年のテン場じゃないと確信する。まあ、いいけどね、と朝を迎える。
避難小屋で一休みしてから樋ノ沢へ
焚き火がしたくてやってきたようなもの
遡行を始めるとすぐに去年なかった倒木帯となる。最近の沢の荒れようはどこも著しく感じ、自分達のfade outとかさなる気持ちになる。すぐに明瞭なテン場があらわれ、ここが昨年整地した場所だった。昨日ただいまーなんていって笑っちゃうよね。すでにかなり使い込まれた形跡であっけらかんとしており、ここに泊まらなくてよかったかもと昨日の勘違いを正当化。
次第にナメとゴーロを繰り返す。小川風情のせせらぎとなり源頭部はいつもとは違う枝沢に入る。わりとすんなりと南面白山よりの鞍部に抜けた。ともかく無事に遡行をおえたことを単純に喜び、ハイカーとなって南面白山へ。昨年は大東岳に登って下山したが大東岳は登るより遠くから眺める方がいい山だといつも思う。
電車の時間に余裕があるので山頂でしばらくのんびりする。仙台神室から山形神室、その先には蔵王連山が聳える。これまで沢から登った山々だ。急斜面を下り大岩のトラバースを抜けると美しいブナ林が広がる。いつも心なごむブナの森だ。また雪の季節に来てみたいと思う。スキー場跡を抜けるとコスモス畑が広がる。コスモベルグ、今年はまだまだ見ごろが続いているようだ。
面白山高原駅で電車を待つ間待合室のノートを眺めると意外なことに外国人がおおく訪れているらしく、英語や中国語など(アラビア語らしきものも!)の書き込みがたくさんあった。きっとSNSか何かで有名になったのかもしれない。秘境中の秘境駅なんていう書き込みも。そんな書き込みを面白がってみているうちに電車がやってきた。
いつもとは違う源頭部から尾根へ登る
大東岳は二口の盟主にふさわしくどっしりとしている
仙台神室と山形神室、その奥に蔵王連峰
スキー場跡地の上はすてきなブナの森
コスモベルグはまだ花盛り
大東岳登山口9:20ー入渓点11:45/12:15ー避難小屋ー幕営地14:25//6:45ー登山道9:00/9:30ー南面白山10:15/10:50ー面白山高原駅13:00