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2020.12.26
那須塩原 前黒山
カテゴリー:雪山

2020年12月24日

奥多摩縦走の山旅が2週続いたので今度こそは雪山始めといきたいところだったが、南会津の山は最近のドカ雪でとても手に負えそうにない。年内は無理かなと諦めていたところ、ひょんなことから塩原温泉奥の前黒山という地味な山で、なんちゃって雪山始めとなった。

馴染みのない山だが、昨年怪我をしてしばらく山行できない時に立ち寄った塩原の大沼公園近くで目にしたのが前黒山登山口という標識だった。地図を見ると登山道はないけれどけっこうな標高(1678m)がある。手書きの素朴な標識だったので地元の愛好家に登られている山なのだろうと、なんとなく頭に残っていた。

冬はレンタカーの利用時間が9時からなので大沼園地付近の登山口へ到着したのは10時過ぎとなる。半日程度で登れる山だが雪の状態でコースタイムは違ってくる。厳冬期の記録はないのでどうしてなのかと思ったが、歩いてその理由がわかる気がした。

先週のドカ雪で那須塩原の山々もこの山域としてはかなりの降雪があったようで、登山口からワカンとなる。古い消えかけたトレースが途中まであった。もともと登山道のない山なので道もそれほど明瞭でないらしく最後までテープの目印を確認しながら登った。針葉樹林帯の登りは北八の雰囲気に似ていると思ったが、それも長続きせず ほとんど藪のようで雪に阻まれ歩きにくい。これでさらに積雪が増えると歩くのはむずかしそうだ。

一旦開けた裸地に至ると植林帯の急登となる。綺麗に手入れされていて雪化粧できれいだ。植林帯の急登が緩むと自然林の広尾根となるが、すべて伐採二次林のようでヒョロヒョロしている。尾根が南向きになると岩交じりの細尾根となり、所々で西側の展望が得られる。一番奥には三岩岳から窓明山の稜線が真っ白に見える。やはり雪山としての風格が違い心が躍る。手前には枯木山や荒海山の黒く荒々しい姿が目に止まる。

当初はワカンでくるぶし程度だった雪は少し深くなって所により脛程度に。半日の手軽な雪山歩きには丁度いい雪の塩梅だ。山頂だけは樹林がなく南側の展望が得られた。日光連山を遠望し、鶏頂山、釈迦ヶ岳の山並みが近くゆったりとした山容をみせており、歩いてみたくなった。谷を挟んだ対岸の明神岳の裏側はハンターマウンテンスキー場のようだ。山頂近くまでゴンドラが利用できれば稜線歩きができそうだ。

下りは速いので、時々得られる展望地点でふたたび足を止めてじっくり山並みに見入る。来年になったら行きたい山がいくつかあるからだ。麓を挟んだ北側には日留賀岳から男鹿岳の山並みが続く。気になる山塊だ。順調に下るが最後の林道歩きでは行きと違って雪が重くなりワカン団子の連続となる。

植林帯が多く、自然林といっても二次林で展望もあまりない地味な山だったが、新雪を踏む楽しさがそがれることはなかった。自分たちの身の丈にあった雪山始めだったような気がする。この冬はどれだけ雪の山旅ができるだろうか。今回目にとまった行きたい山に思いを馳せながらも、まずは麓の温泉に立ち寄り帰路についた。

ちなみに、前黒山は那須塩原駅からも良く見える山だということ、栃木100山に数えられているということを初めて知った。

 

 

 

 

 

登山口10:20ー山頂13:30/13:55ー登山口15:35