ブナの沢旅ブナの沢旅
▲トップページへ
2019.08.01
名取川大行沢〜樋ノ沢
カテゴリー:

2019年8月1日

腰椎の骨折から約二ヶ月。近くで軽いハイキングを始めたところ特に問題はないようなので、いよいよ沢でのリハビリを開始することにした。標高差のある沢はまだきびしい。まずは沢歩き程度で様子を見ることにした。ならばブナがあってナメが綺麗な沢がいい。

ということで、日帰りではもったいないけれど気に入っている大行沢へ。以前も日帰りで樋ノ沢を詰めて南面白山から面白山高原駅に抜けたことがあるが、今回は様子見ということもあり行けるところまで行って登山道を戻ることにした。

仙台駅からレンタカーで二口ビジターセンター向かいの駐車場へ。昨年小松倉沢を遡行した時は二口林道が工事中でビジターセンターから先は一般車は入れなかったが、工事は終わっていた。山形に抜ける林道も8月後半には開通するらしい。ここはいつ来ても工事中だったので、いよいよついにと、よそ者ながら感慨深い。

登山道を進むがとにかく暑い。仙台でも35度とかの予報だった。腰の具合よりも暑さにまいって歩みが遅い。おまけになぜか雨滝手前で沢に下る踏み跡に入ってしまい軌道修正するのに手間取ってしまう。何度も歩いているのにこんなことは初めてだ。雨滝でミストシャワーを浴び、顔を洗って一息つく。

さらに進むと今度は足取りが重く息苦しくなる。沢に入る前に撤退かな、などと思っていると同行者も同じような様子で、どうも熱中症になりかけているのだという結論となる。水分をたっぷりとってしばらく休むと落ち着いた。その後は再び足取りがもどり適当なところで沢に降りた。ヤレヤレだったが、ここまでくれば、あとは気持ちのいい沢歩き。

まずは夏の沢恒例の沢ソーメンからスタートする。こういう時間がとても楽しい。ここまで時間がかかったのであまり余裕もないけれど、こうなったら少しでも水に足を浸して遊ぶことができれば満足だと思えてしまう。

ほんの短いナメのハイライト遡行。ゆったりした心地よさを噛みしめながらヒタヒタと歩く。本当に短かった。カケス沢出合を過ぎるとすぐに樋ノ沢避難小屋に上がるナメ滝となる。あまり踏ん張ることができないので最後はお助け紐を出してもらう。小屋の裏から樋ノ沢に入る。時間を決めてナメが途切れるあたりまでを目処とする。ブナ林に包まれた楚々とした小さな沢がいとおしく感じられる。

今度来る時は樋ノ沢にテン場を見つけ、翌日権現様峠から沢ルートで大東岳に登ってまだ歩いたことのない登山道から登山口に戻ろうと思う。最初の二俣手前にいいテントサイトがあり、焚き火の跡があった。そういえば、最近の岳人で同じコースの特集がでていた。

背中がこってきたので、銀マットをしいて背中をのばしてしばらく休む。寝転んで見上げるブナ林もなかなかステキだ。予定より少し早いけれど、戻った方がよさそうな気配だ。樋ノ沢は遡下降するパーティが多いので左岸には踏み跡ができていてあっという間に小屋に戻った。

靴を履き替え、あとは登山道を戻るだけなのだが、途中裏盤司の展望ベンチでまた横になって背中を伸ばす。ちょっと無理してしまったかもしれないが、沢に行きたい気持ちが勝ったのだった。帰宅後は久しぶりの筋肉痛程度で腰の具合は思ったほど悪くならずに済んだ。少しずつ日帰りを再開できそうだ。