2011年2月13日
メンバー:sugi、他1
蓼科に滞在している間に一日は山へと、スノーシューやアイゼン、スパッツを2セット持参した。11-12日は荒れ模様の天気予報、実際に10日から降った大雪のために、中央道や蓼科に向かう道路のあちこちで車が路肩に止まりチェーンをつけたり、動けなくなっていた。こんな大雪は10年来初めてだと聞いた。まずは家の周り、駐車場から道路までの雪かきに追われる。
わずかに13日だけが晴れの予報、この日しかないとパートナーにいくつかプランを提示し、最もお気楽な、ロープウェーを使って北横岳に登ることになった。朝起きると、窓から見える蓼科山には雲がかかったまま、あわてて出るよりゆっくりのほうが山頂で晴れると見越して、1時間遅れて出発。
ピラタスロープウェー山麓駅に着くと、スキーヤーで賑わっており、満員のロープウェーで10時に山頂駅に着いた。暖かい待合室でスパッツをつけ準備、周りを見ると意外にスノーシュー組が多い。以前はこんなことはなかったのにと、思い出の世界に。
卒業し就職して間もない12月の初め、慣れきった北八ヶ岳なら冬でも心配ないだろうと、友人と二人、ピラタス山頂駅から縞枯山-茶臼山-麦草峠-高見石-渋の湯というコースを計画した。前日は雪との情報だったが高をくくっていた。山頂駅に降り立ち、ゲレンデを下るスキーヤーを見送ると、二人だけが取り残された。
目の前には真っ白な雪原が盛り上がって広がり、トレースがない。何しろ雪山など歩いたことがない。躊躇したが、いまさら引き返せない。行くかーと踏み出したが、腰近くまであるラッセルにすぐに汗だらだらになる。勝手知ったる山なので迷う心配はしなかったが、どこまで行けるだろうと不安になりながら、交代で先頭に立ち、少しずつ縞枯山を登っていった。
気がつくとわれわれのトレースを4人組が追いついてきており、途中から6人交代のラッセルとなったため、スピードが上がり、麦草峠から後はずっと先行者のトレースがあったため、予定通りのコースを歩くことができた。スノーシューもわかんも、アイゼンもコンパスもなかった。忘れられない思い出だ。あれ以来、最近までラッセルとは縁がなかった。
同じように相当の降雪、でも3連休の最終日はたくさんのハイカーが入っており、トレースはばっちり。そのトレースを踏んで、坪庭から北横岳への登山道に入る。風が冷たく立ち止まると寒さに震える。なにしろ山頂駅で2200メートルを超えている。前回の二岐山より1000メートルも高いので、寒いわけだ。
シラビソの森に入ると風が収まりほっとする。ここにはブナも岳樺もなくはじめからシラビソだが、雪を被った姿は青空に映える。見晴らしのいいところでは縞枯山、茶臼山さらには八ヶ岳、南アルプス、眼下には茅野の市街も見える。
初心者が多いためか、傾斜がきついところでは、スノーシューやアイゼンを付けているにもかかわらず、何人もが滑って登山道を塞いでいたりして、驚かされる。
1時間と少しで北横岳ヒュッテに付く。この山小屋は風情があって暖かな雰囲気がなかなかいいといつも思う。しかし、この日はご覧のとおりの人だかりで、休む気にもなれない。そのまま山頂に向かうと10分ほどで南峰に着く。ここに着くとようやく目の前に蓼科山がどーんと現れる。
強風と寒さで長居ができない。写真を撮ろうにもシャッターがうまく押せずそのうち寒さで電池切れとなってしまう。少し高い2-3分先の北峰(2480m)にも立ったあと、ヒュッテまで下り、日向で軽くおにぎりの昼食を。そこからの下りも早い。帰りはロープウェーを使わず、ゲレンデの横の冬用の登山道に付けられたしっかりしたトレースを辿り、一気に山麓駅まで下りた。この道はほとんど人気がなく、午後になりすっかり晴れ渡った斜面を八ヶ岳や南アルプスを見ながらの漫歩であった。
ピラタス山頂駅10:30-北横岳ヒュッテ11:45-北横岳山頂11:55/12:15-北横岳ヒュッテ12:25/12:45-山頂駅13:45-山麓駅15:00