2025年2月28日ー3月2日
昨年4月に南会津の坪入山から窓明山を3日間で周遊して以来、雪山のテント泊からは遠ざかっていた。以前のような山行は難しくなっているものの、やっぱり行きたいという気持ちに押され、天候などもみながら久しぶりに向かってみた。毎年訪れているあのブナの森へ。
南会津へは私たちの体力的制約だけでなく、公共交通の便も悪くなり、もう1泊ではいけない山域になってしまった。バスは会津高原尾瀬駅からがなくなって会津田島駅からとなり、帰りも午後の早い時間(1時過ぎ)に一本だけ。そんなわけでかなり控えめなプランで、まあ行けるところまで行ければいいという気持ちで現地に向かった。
今年の大雪でブナ樹高の雪線がほとんど最大の位置まで達している。日程が急に気温が上がり始めるタイミングだったためか、雪が重いうえスノーシューでは二度沈んで歩きにくかった。そのため初日はようやく1300m付近で尾根が緩やかに広がるところまでが精一杯でザックを下ろした。
あまり進めなかったけれど、久しぶりの雪山テント泊のルーチンが楽しい。ザックはできるだけ軽量化をはかったため重さはそれほど感じず歩けたことを喜んだ。テントに入り水を作ったり食事の準備をしたり、久しぶりのテントライフを楽しんで初日を終えた。
1300mの尾根が広がる入口でテント
朝から快晴で風もなく清々しい気持ちで出発する。山毛欅沢山の尾根に上がると稜線の雪庇がものすごい。初日の進み具合から、小手沢山付近にザックをデポして恵羅窪山あたりまで往復できれば上出来だ。
以前の自分と比べてはいけないとわかっているけれど、ついあの時はこうだったとか、ああだったと何度も歩いているだけに比べてしまう。恵羅窪山までこんなに遠かったかなあ、なんていいながらずいぶん時間をかけて到着。
今回はブナがいつもより綺麗に見えないのはどうしてだろうと互いに言い合う。たぶん積雪が多いため苔で覆われている幹だけが雪面に出ていて枝の広がりがいつもより低いからじゃないかな。きっと残雪期なら雪に覆われる苔のない白い幹の部分が2-3mくらいでているはずだから。
仲間は今回の私の半ば強引な2泊3日の日程に不安をもっていたし、恵羅窪山までさえいけないかもしれないと弱音をはいていたが、なんとか辿り着けたと安堵している。と、まあこんな具合にへなたれ山行なのだけれど、よかった、よかった。
山毛欅沢山と奥に窓明山〜三ツ岩岳
古町丸山に続く尾根
丸山岳を見渡す平尾根が二日目の幕営地
小手沢山山頂の白樺林
ふぅ〜、恵羅窪山が今回の到達点
3日目は往路を戻るだけなので、時間がたっぷりある。というのも帰りのリバティが夕方便しかとれなかったから。前回の小野岳の時もそうだったが、最近はインバウンドの影響か、とにかく指定が取りにくくなっている。
そんなわけでバスだと数時間も田島駅で足止めとなるためタクシーで会津高原尾瀬駅へ向かい、さらに乗り継いで普通車で帰ることにした。さすがに下りは早く、タクシーの時間を早めてさらに「夢の湯」で時間調整をした。温泉の後に休憩室でたべたうどんが、期待しなかった分かなり美味しかった。
南会津は遠くになりにけり。。。なのだけれど、いつまでも私たちだけの静かな山歩きができる大切な山であり続けてほしいと思う。
鳥井戸橋11:30ー1300m幕営地16:30//6:45ー山毛欅沢山稜線8:45ー小手沢山下幕営地10:30/11:00ー恵羅窪山13:15/13:35ー幕営地15:50//7:00ー(時間調整)ー鳥井戸橋12:30