筑波山

2024年12月11日

関東平野の片隅にある観光地の山、というイメージしか持っていなかった筑波山だったけれど、ついにというか、とうとう行ってきた。具体的にどこにあるのか、どう行けばいいのか全く知らなかったが、ちょっと調べればあらま、西丹沢に行くのと時間はかわらない。

つくばエクスプレスに乗るのは初めてだったので沿線の様子に興味津々、キョロキョロしているうちに到着。バスも快速電車に合わせるように乗り継ぎがスムーズで8時半過ぎには登山口のあるつくば神社バス停へ。早くも関東平野の広がりと奥に富士山の展望が得られる。神社はすでにお正月の準備が進んでいて謹賀新年の大看板がかかっていた。

名残の紅葉をめでて山道に入るとしばらくは杉林の急登となる。途中でケーブルカーの線路が近づくと、偶然にも赤と緑の上下線が交差する。神社の境内を抜けて山道に入ったりケーブルカーが走っていたり、大山みたいだ。

一時間ほどで男女川の看板に至る。古くから詩歌に歌われている川で、「筑波嶺の峰より落つる男女川 恋ぞつもりて淵となりぬる」という陽成院の歌は小倉百人一首にも選ばれているとの解説。なるほどねーとお勉強。

 

御幸ヶ原というケーブルカーの終点でもある広い展望地につくと途端に観光地となり、茶屋や売店が並んでいる。ここはさくっと通りすぎて男体山の山道に入る。山頂には「男体山御本殿」というお社があり、金文字で木村屋総本店奉納と銘記された立派な賽銭箱が鎮座していた。

筑波山神社よりも目を引いたのは山頂の片隅にある気象観測所の古い建物だ。解説によると、作られたのは1902年で日本初の山岳測候所とのこと。しかも建設は旧皇族の山階宮菊麿王が自己資金で行われたと。山岳測候所の歴史の一端を知ることができてよかった。

少し霞がかかっていたが、こうみるとあらためて関東平野はとてつもなく広いことがわかる。谷川方面は雲がかかっていて見えなかった。あとでニュースで知ったが大雪だったらしい。山頂からは自然研究路という山頂下をグルリ一周する山道に入る。

とたんに好ましい静かないつもの山歩きとなり、おまけにブナ林も多くあらわれる。筑波山のイメージがこれで上書きできたかもしれない。研究路というだけあって筑波山の自然を多方面から紹介する案内板が随所にあり、学習の路となっている。植物の垂直分布で言えば、800m以上はブナ林帯というのは思いもしなかった。

自然研究路の展望地ながら怖くて岩の奥には進めなかった

一周してから今度は女体山へ。「ガマの油」考案のもととなったというガマ岩を見上げるとたしかに巨大なガマの顔と口のよう。。カタクリの群生地があってきっとシーズンは一面に咲き誇るのだろう(混雑しそうでもあるけど)。山頂のしつらえは賽銭箱を含め男体山と同じだけれど、こちらの方が少し標高が高くて三角点があった。

下山路はバスの終点であるつつじヶ丘方面へ向かう。山頂直下は急勾配の岩場がつづき、渋滞ポイントだというのもうなずける。ようやく岩場がおわると穏やかな山道となる。随所に岩の名所ポイントがあり、登った御幸ヶ原コースよりも面白いし自然林なのがいい。

つつじヶ丘まで下ると開けた無木立の広場みたいで気持ちがいいところだ。広い駐車場もすぐ下にみえる。サクッと下ったところでソフトクリームや焼き団子の看板につられ、食べながらプチ満足しながらバスを待った。

バスで筑波大学の門を通過する時にレポーターがカメラの前でマイクを持っているのが見えた。ちょうど秋篠宮悠仁さんが筑波大学入試に合格したニュースをネットで見ていたところだったので、素早い対応だなあ。でも初めて筑波大学の街並みをバスから眺めただけでもいいキャンパスライフができそうな環境の印象。

そんなわけで、意外と楽しめた筑波山だった。きっと今まで目を向けなかった山でも、こんな風に楽しみ新たな発見を得ることができるのではないかと思うことができた。

ガマの油発祥?のガマ岩

女体山にて、奉納柱がちょっと邪魔

(わかりにくいが)岩の穴をくぐり出たところ)

つつじヶ丘で展望が開ける

バスから去りゆく筑波山を眺める

筑波神社8:55ー男女川源流10:00/10:15ー男体山11:00/11:15ー(自然研究路)ー御幸ヶ原11:50/12:10ー女体山12:25/12:40ーつつじヶ丘13:30

 

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