乳頭山〜千沼ヶ原

2024年7月13日

早朝登山口に向かうと駐車広場で沢装備の若者パーティが準備をしていた。葛根田川に入るという。ちょっとやそっとの増水などなんのそのという雰囲気だったので、楽しんで来てくださいという気持ちで、私たちはブナの登山道へすすむ。

前回は時間に追われて余裕がなく通り過ぎた白池にたちよる。モリアオガエルの生息地とのこと。森の中にぽっかりあいた空間は静寂そのもので神秘的な雰囲気さえ感じられた。ゆったりとした道は池を過ぎると痩せた急斜面となるがいろいろな花に慰められる。(花の写真もたくさん撮ったのだけれど、植物図鑑的に花を並べるのはあまり好きではないので、いつも山の雰囲気の一部として撮ったものだけを少し載せている程度です。)

再び傾斜が緩んで小さな湿原を越えると今度はキスゲの世界となる。前日に三ツ岩山でもたくさん咲いていたけれど広がりのスケールが違う。はからずも今回はキスゲ巡りの山歩きだ。小烏帽子を越えると山頂のとんがりと山麓の高原台地を見渡す気持ちのいい道がつづく。乳頭山は岩手側からみるとたしかに烏帽子山だ。

山頂は360度の展望でゆったりと緑の台地が広がりとても気持ちがいい。尖った山や高嶺はないけれど、やさしさあふれる展望に癒される。あらためて八幡平はいいところだな、東北の山はいいなと、しみじみ思う。秋田側からハイカーがぞろぞろ登って来たあたりで山頂をあとにして、今回楽しみにしてきた千沼ヶ原へ向かう。

千沼ヶ原へと下っていくと烏帽子山が乳頭山に姿を変える。なるほどなー。笹原の道を進み、何回か小沢を渡るとキスゲの木道があらわれ視界が開ける。予想をはるかに越える素晴らしさに、おもわず歓声。陳腐な表現しかできないのが悲しいけど、ほんとにいいところだ。

さりがたい思いで登山道を進むとふたたび視界が開けてさっきよりも広い湿原があらわれる。もう終わったかと思っていたらこれからだった。通ってきた湿原は前衛だったらしい。まさに感動の波状攻撃。木道が広がったところで腰を下ろしパンをかじりながら幸福感にひたる。紅葉の季節にも来てみたいねと言いなが千沼ヶ原をあとにした。

滝ノ上コース登山口5:20ー白沼6:40/6:55ー乳頭山9:10/9:40ー千沼ヶ原10:50/11:45ー熱交換所登山口14:30

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