ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.09.29
大行沢〜樋ノ沢〜南面白山
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2022年9月26日

最近の記録はぼやきから始まっている。世の中そう思うようには行かないことくらい、この歳になればよくわかっているだろうに。。と反省し、今回はすっきりと始めたい。台風一過の秋晴れが期待できそうなので、今年は機会を逃している東北に行きたいと急遽馴染みの二口の沢へ向かった。日帰りなのが残念だけれど、前夜発でいちにち目一杯遊ぶことにした。

コースはすでに何度も訪れているお気に入りの大行沢から樋ノ沢。南面白山に登って面白山高原駅に抜ける縦断ルートだ。仙台駅から朝一の仙山線で愛子駅に向かいタクシーで大東岳登山口へ。平日ながらすでに関東以西のナンバーが二台駐車しており、きっと大行沢なのだろうと思いながら出発する。

去年の夏は泊り装備と暑さでバテてしまい入渓までに時間がかかったが、今回は日帰り装備で涼しいため順調に入渓点に下った。しばらくゴーロを進むとお馴染みのナメが広がる。何度来てもいい所だと思う。曇りがちの空も陽が差し始め沢に煌めきが戻ってきた。

1時間ほどナメ歩きを楽しんでハダカゾウキ沢出合の滝を登り避難小屋にあがる。以前テントを張った広場に立ち寄ってから樋ノ沢に入り、岩畳の上でティータイム。これからがメインディッシュの始まりだ。小振りながら樋ノ沢も大行沢におとらず美しい。

 

 

 

 

樋ノ沢は二ヶ所のゴーロを挟んで源頭部までナメが続く。両岸はすべてブナ林だ。しばらくすると左岸の枝沢出合に焚き火跡のあるテントサイト。以前も目に留まって次回はここに泊まりたいと思った場所だ。来年初夏に予約しておこう。

中盤の登れない滝は前回苦労して小さく巻いたが、手前によく踏まれた巻道があって簡単に越えられた。プチゴルジュを越えると再びナメが広がる。進むにつれ倒木帯がみられるようになる。しだいにゴーロから日本庭園風の源頭部となる。何度も来ているからと軽くみたせいか何度かあらわれる二俣で予定の枝沢をはずれ20mほど上の登山道に詰め上げた。たいした違いはないけれどGPSを忘れるととたんに間違えるなんてなさけない。

 

 

 

 

 

ともあれ順調に楽しく遡行できたのでよかった。靴を履き替え最終ラウンドは南面白山へのハイキング。しばらくはブナ林の急登がつづく。山頂に近づくと展望が開け大東岳が正面に大きい。大東岳は登るよりも眺めるほうが山の良さがわかる。南面白山から眺める大東岳と樋ノ沢源頭部をはじめとする山麓を取り囲むブナの山並みにいつも魅了される。そう言えば、もえるような紅葉の姿はまだだった。再訪する理由はまだたくさんあるのがうれしい。

残雪期に歩いた面白山から南面白山のブナ尾根や仙台、山形神室から蔵王連峰の山並みを一つずつ確認したり、アキアカネが飛び交い仲間の腕に止まって離れない姿をずっと見ていたり、おやつを食べたり、時間調整と言いながらまったり休んだり。

さあ、出発しましょうと山を下る。急斜面を下り細くて樹高の高いブナ林から大岩ゴロゴロのトラバース。最後は美しいブナ林の快適な小道。スキー場は来るたびに自然回帰しつつある。森に埋もれそうなリフト脇を下るとパッと視界が開け、一面コスモス畑が広がる。

6年前にも同じコースを歩いているので知ってはいたが、もうシーズンが終わっているかと思っていた。まだ十分花盛りのようだ。こんな風に変化にとんだ山歩きを楽しんで今では乗降客もまばらな無人の面白山高原駅に着いた。

 

 

 

 

大東岳登山口7:30ー大行沢9:20/9:40ー樋ノ沢出合10:50/11:10ー登山道13:05/13:20ー南面白山14:00/14:40ー面白山高原駅16:40