ブナの沢旅ブナの沢旅
▲トップページへ
2022.06.27
マスキ嵐から畦ヶ丸
カテゴリー:

2022年6月

このところナメの沢歩きが続いていたので、少しは沢登りらしいことをしようと少し遠出の沢を計画したものの天候が不安定で落ち着かない。そんな時でも以前なら出かけたはずだが、最近はすぐに尻込みしてしまう。そこで電車とバスだけで気軽にいける西丹沢の、短くて登れる滝ばかりのマスキ嵐沢へ方針転換。久しぶりだし初心に帰ろうなんて、いつもの言種をひっさげて出発した。

曇り空ながら両岸の樹林が沢に映えて渓相が美しい。ホールドやスタンスが細かい滝が多いが、フリクションがいいので意外と登れてしまう。そんなわけで初心者の沢として人気があるのだろう。未見の沢ならば登れなさそうだから巻こうとするような滝も、様子がわかっているのでルートはこうだと仲間に説明しながら越えていく。

880m二俣を右に入ると水量がほとんど消え、涸棚を二つ越える。二つ目の涸棚が最後のアトラクションでロープをだした。残置があるので安心。ただ二つ目の残置で確保してから小さなテラスに乗り上げるところが以前よりも手間取った。もっとあっさり登ったのになあと思いながら抜ける。

これで遡行はほぼ終了となる。稜線が見えてきたあたりで靴を履き替えザレの急斜面を登って尾根に乗り上げた。とてもスッキリとした詰めで最初から最後まで快適な遡行が約束されている沢だった。

 

 

 

 

 

マスキ嵐沢を遡行するとたいがい権現山経由で南尾根を下り大滝橋に戻る最短コースをとるが、久しぶりなので1079mのブナ林が広がる尾根から畦ヶ丸に向かう。登山道はないがそこそこ歩かれているようだ。丹沢はヤブがほとんどなく山域も広くないためバリエーション愛好家が多い。彼らにとってこの尾根はVRのカテゴリーに入らない準登山道だと思う。

所々痩せているが危険箇所はなく、畦ヶ丸に近づくとブナ林の広尾根とる。登山道ではないので手付かずのプリミティブな自然の、どこでも自由に歩ける雰囲気がいい。新しい避難小屋もまだ見ていないので立ち寄り、遠回りだけれど大滝峠経由で下った。

 

 

 

マスキ嵐沢。以前は簡単だからなどと軽く見ていたが、月日を経た今では、難しすぎず簡単すぎずで身の丈にあっていると感じている。花崗岩と自然林が調和したきれいな沢で、短いけれど沢のスケール感はそこそこあるいい沢であることを再認識できてよかった。

大滝橋バス停8:45ーマスキ嵐沢出合9:20/9:40ー尾根12:45/13:15ー畦ヶ丸14:40/14:55ー大滝橋バス停16:50