ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.04.28
シダクラ沢
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2022年4月28日

天候が日替わりで変化するためテント泊は中止して日帰りで新緑の沢歩きを楽しむことにした。いつものことだが土壇場の変更になったため、行き先は以前一人で入渓した奥多摩のシダクラ沢。沢のプレオープニング第二弾というところだろうか。10年ぶりだが荒れた様子もなく、むしろ記憶よりもしっとりとしたきれいな沢だった。

奥多摩駅からバスで10分ほどの惣岳(渓谷入口)で下車してむかし道を歩き、青い吊橋を渡るとすぐにシダクラ沢に下る踏み跡がある。歩行は二人までという看板があるとおり、けっこう揺れる。顔と体をこわばらせて景色も見ずにまっしぐらに進む姿を面白がり、仲間は振り返ってその様子の写真を撮ったりしている(あとで見せてもらい直ちに消去)。

沢に下りて沢靴に履き替えるがなんとネオプレーンのソックスを忘れてきた。最近はいつも何かしら忘れ物をする。履いてきたソックスのまま入渓して結局帰宅するまで沢靴をはいていた。と、いうことはさておき、取り立てて特徴があるわけではないが落ち着いた雰囲気の渓相は悪くない。最近はこういう穏やかな沢歩きに以前にも増して嗜好が傾いている。

すぐにあらわれる取水設備を越えると小滝が続き、どれも快適に登る。最近は沢が荒れ気味であるけれど、シダクラ沢はそんな様子もなくいい雰囲気だ。植林帯もあるが、きれいに整備されて明るい。新緑に彩られた谷筋は平凡ながらも美しい。紅葉よりも新緑の山の方が好きだ。

ゴーロの間に数メートル程度の小滝がちりばめられており、簡単に巻くこともルートを選んで登ることも自由だ。頑張るまでもないので適宜小さく巻いたり登ったり。補助ロープも2-3度出した。740m二俣が近くなるとゴーロが深い緑の苔で覆われるようになりトチの大木が点在する。なかなか絵になる光景だ。右岸には炭焼き釜の跡が二箇所みられた。

二俣を右に進むと沢の傾斜が増してくる。大岩が見えてきたところで沢を離れ苔岩の斜面に取り付いて登山道をめざす。途中から傾斜がきつくなったのでチェーンアイゼンをはくと安定感がグッとました。右手の小尾根に乗ると傾斜が緩む。藪もなくすっきりとした広葉樹の疎林を緩やかに登るとブナの大木に迎えられて登山道にでた。1040m付近だった。

今回は御前山経由ではなく大ブナ尾根を奥多摩湖に下る。緩やかで快適な登山道を下ってサス沢山から奥多摩湖の展望を楽しむ。サス沢山からはたるむことのない急斜面を下る。奥多摩湖が近づくと展望地の標識があらわれる。バスの時間調整もあるので立ち寄ってみると、公園のような観光展望地で真新しいテーブルベンチがあちこちに設けられている。ここからは石の階段を下ってダム湖の駐車場にでた。

事前にバス会社のHPで調べたバスの時刻表では3時台のバスがなかったためにわか観光客になり、湖を眺めながらぶらぶらとバス停へ。そして時刻表をみると3時台のバスがありほんの少し前に出たばかりだった。3月12日改定とあったがHPには反映されていなかった。こういう例は以前もあったので要注意だ。最初はがっかりしたが、滅多に来ることのない奥多摩湖畔でのんびりできた。シダクラ沢は新緑の沢始めにうってつけのきれいで穏やかな沢だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惣岳バス停9:00ーシダクラ沢出合9:15/9:40ー740m二俣12:00/12:20ー登山道13:50/14:20ー奥多摩湖15:35