ブナの沢旅ブナの沢旅
▲トップページへ
2020.11.06
碓氷川本流
カテゴリー:

2020年11月5日

以前から11月になったら上州方面の沢に行こうと幾つか計画を作った。その中でまだ遡行したことがなく一番気軽に沢歩きが楽しめそうな碓氷川本流へ。10年前にまだあまり知られていなかった隣の墓場尻川を遡行してとても好印象だった。下山の最後に碓氷川に降り立って渡渉したときやはりナメ沢の雰囲気だったので、そのうちに遡行してみたいと微かに思った記憶がある。

一般のアクセスは観光名所のめがね橋から出発して登山道が横断するところで遡行終了後、旧中山道の登山道を下って戻るのだが、今回はまず登山道を下って沢遡行して登山道に戻るという逆コースにしてみた。こうすることで電車利用で朝発でも余裕を持って遡行できることがわかった。

軽井沢駅に降り立ったのは何年ぶりだろう。まずはタクシーで登山道入口の熊野神社へ。2000円強で済んだ。さっそく歩き始めるが明瞭な階段に引き込まれ碓氷川水源碑に降りてしまう。ここは碓氷川左俣の源頭だ。ロスタイムも10分ほどなので間違ったおかげでこれから遡行する川の水源碑を見ることができたと素直に喜ぶ。

遡行終了点を通過して進む旧中山道の登山道はとても歩きやすい気持ちのいい道で、途中の展望地からは妙義のギザギザした山並みを一望。真新しい道標でめがね橋方面への九十九折を下り堰堤を見下ろす所から沢に降りる。

 

沢支度をしてさっそく川原を歩き始めるとすぐに二つ目の堰堤があらわれ左岸を巻き上がる。ここからはナメが広がり期待していた碓氷川となる。水量は多めの印象を受けたが平水がわからないのでなんともいえない。遅めの入渓なのですぐに沢に陽が差し始めた。こんなところにも登山道を下って逆コースで入渓するメリットがあるかもしれない。

ナメとゴーロ川原を繰り返しながらその間に小滝をかけている。小滝は登れなくとも両岸のどちらかを簡単に巻くことができるので、つい安直に巻いてしまう。沢筋の木々も高度を上げるにつれ紅葉が陽の光に映えるようになり美しい。後半は石積堰堤滝や炭焼釜が何ヶ所かにみられたり植林があらわれたりと、古くから利用されていた沢の様子がうかがえた。なにしろ左岸尾根は旧中山道で、登山道には所々に歴史的由緒の説明標識が立てられているほどなので、なるほどとうなづける。

 

 

 

 

当初は熊野神社に近い左俣を詰めることも考えていたが、のっけから左俣の水源碑に降りてしまったので行程の短い右俣へ進む。さすがに水流は細くなるがナメや小滝は続き、最後はあっさりと登山道横断点にでた。遡行が終われば下山はない。あとはフリータイムだ。熊野神社まで戻ってからは観光客気分で紅葉のきれいな遊歩道を下って旧軽井沢のメインストリートへ。しゃれた店をキョロキョロ覗きながら良さげな和食屋で早めの夕食をとって帰路に着いた。

 

 

軽井沢なんて縁がないと思っていたが、こんな風に沢歩きのあとで遊歩道から旧軽(ショッピングと食事)散策を一日で楽しめることがわかり、また山歩きに来てみようかなという気持ちになりました。

熊野神社8:00ー(旧中山道)ー入渓点9:45/10:15ー登山道14:15/14:35ー熊野神社14:55