ブナの沢旅ブナの沢旅
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2020.10.16
升沢〜船形山〜長倉尾根〜旗坂キャンプ場
カテゴリー:備忘録

2020年10月15〜16日

今週は軽く丹沢の沢へ行こうとしていたところずっと雨予報に変わってしまった。今年はこんなことばかりだ。一方東北は晴れが続いている。そこで先週につづき青空を求めて東北の山を思いつき、色づいたブナの尾根をのんびり歩こうと船形山へ向かった。せっかく行くのなら小屋泊まりにしようということで、近場で軽く半日沢のつもりが小屋泊まりの山旅へとふくれあがった。

船形山は何度も登っているがほとんどが雪山シーズンだ。以前から紅葉の山歩きもしてみたいと思っていたので丁度いい機会となった。いまだ青いみずみずしいブナ林が登るにつれて色づいていくグラデーションの森歩きを存分に楽しんだ。

いつものように当日発なので旗坂キャンプ場から歩き始めたのは10時をまわっていた。雪山の時は山頂まで時間がかかるので前夜発にしていたが、コースタイムが5時間弱なので当日発でも余裕がある。30番から始まる大きな番号標識は雪山用なので場所によっては随分高い所についている。冬視界がないときはとてもありがたい標識だが、無雪期にはちょっと無粋に感じられなくもない。

麓はまだ緑が濃いが標高を上げるにつれて樹林が色づいていく。途中で地元のキノコ狩りのご夫妻と話を交わした所、山頂に泊まるならと収穫したキノコの一部を分けていただく。升沢小屋で一休みした後、小屋の下にある沢で今晩と明日のための水を汲む。夏道は沢を歩くように付けられているが、これまで積雪期にしか歩いていないため対岸の尾根から登っていた。沢沿いに丁寧に印がつけられており岩場に足場が彫られていたりと至れり尽くせりだ。沢の中に番号標識まで建てられていて多少の違和感があったが。

沢を詰めて尾根に出ると一挙に展望がひらける。ただ山頂付近はガスっていて紅葉の鮮やかさが削がれているのが残念だ。翌日の好天に期待しながら山頂の避難小屋にはいって一瞬おどろく。数人の男性が食事しながら賑やかな宴会ムードになっていた。聞けば地元の方々なのできっとこうして楽しむために泊まりに来たのだろう。私たちは二階に上がってこぢんまりと店開きをする。テン場の整地も焚き火の準備もないので時間をもてあましてしまう。早々と食事を済ませて就寝。外はガスがさらに濃くなり一晩中風が吹いていた。

 

 

朝も早く起きる必要がなかったが、10時間以上も寝たので自然と目が覚め5時過ぎに起床。風もやみ視界もクリアだ。7時前に出発してまずは山頂標識へ。小屋周りの低潅木には霧氷がついており、枯れた花々が霧氷の花を咲かせている。少し前まで残暑が厳しかったのに、もう霧氷の季節かと思う。

地図を片手に山頂からの展望を楽しみながら出発する。月山と朝日連峰もはっきりと見え、その奥には飯豊も認められる。二口方面ではあれこれ登った山々を同定しながら足が止まってばかりだ。登山道が笹薮に覆われるようになり小さなポコを越えて蛇ヶ岳へ。これから歩く三峰山から北泉ヶ岳の赤く染まった山並みを見下ろし、船形山を振り返りながらの稜線漫歩が心地いい。

 

 

 

後白髭山との分岐で引きずられて進んでしまうといううっかりミスをしながら三峰山に到着する。船形山の展望とはお別れとなり、急斜面を下る。積雪期には雪庇が張り出した急斜面でピッケルを使ってバックステップで下った所だ。そしてブナ林の長い長倉尾根の下りとなる。紅葉がちょうどピークを迎えているようだ。気持ち良く下っていく。

 

1100m付近で尾根が広がる平坦地になったところで仲間がブナの古木に目を留める。近づいてみるとナメコが鈴なりになっているではないか。ザックを放り出しさっそく収穫に夢中になる。その後もキノコ目で足元の古木に目を凝らしたり、色づいたブナを見上げたりと忙しい。途中ブナハリタケもたくさん収穫できた。ほかにも幾つかみかけたが、正確にわからないのでそのまま通過。長倉尾根はあまり標高を下げずダラダラゆっくりと下っているので人によっては退屈するかもしれない。でもブナが好きな人には至福の時をあたえてくれる山歩きなのだ。

 

 

鮮やかな紅葉は標高を下げるにつれて黄色味を帯びるようになりグラデーションが美しい。北泉ヶ岳分岐手前の100m強の登りがつらかった。分岐からは大倉山方面の尾根に進む。前回歩いた数年前にはなかった「縄文の森遊歩道」という新しい標識が立てられており、刈り払いもされて整備されていた。途中で桑沼の展望が得られたが、紅葉には少し早いようだった。

当初は大倉山から氾濫原に下って林道経由で戻る予定だったが、別ルートもあるようだ。時間の余裕もあるのでまだ歩いていないルートで戻ってみようということになり、大倉山手前で升沢林道に下った。林道を道沿いに進んでキャンプ場にもどろうとするとクネクネと長い道のりになるが、キャンプ場から延びる升沢遊歩道が接近する箇所がある。読図しながら少々藪を漕いでショートカットすると予想どおり遊歩道が見えた。地図には出ていないが標識や印がある立派な遊歩道だ。ここは登山者でなくても山歩きの雰囲気が味わえるところで、奥には滝などの見所もあるらしい。新しい発見を感じながら最後は橋を渡って駐車場にもどった。

 

 

旗坂キャンプ場10:05ー升沢避難小屋12:55/13:25ー山頂避難小屋14:30//6:45ー蛇ヶ岳8:10ー三峰山9:20ー北泉ヶ岳分岐12:10ー升沢遊歩道ー旗坂キャンプ場14:40