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2020.02.28
三浦半島 岩礁のみち
カテゴリー:ハイキング

2020年2月28日

三浦半島先端にはいくつもの小さな入り江があり、それぞれの入り江は岩礁の海岸線で繋がれている。そこは関東ふれあいの道の名のもとに「岩礁のみち」として道標が整備されている。岩礁帯は潮の満ち干きによって歩くルートも多少変わるようだが、要所要所に道標があるため迷うことはない。

京浜急行の三浦海岸駅に降りると桜祭りの最中で駅前には出店が並んでいた。近くに河津桜の並木道があって桜と菜の花のコラボが観光客を呼び込んでいるとのこと。最盛期は過ぎたようだった。三崎港行きのバスで松輪で下車すると、バスを降りた足元にさっそく、関東ふれあいの道の案内プレート。その後も分岐のたびに標識が方向を示してくれる

しばらくはキャベツ畑がひろがるのどかな丘陵地の車道を歩き、間口漁港から海岸線にでるとさっそく岩礁の海が広がる。ここ剣崎は県景勝50選だけあって美しい海岸だ。対岸には房総半島の富山や鋸山が近い。

しばらくはフリクションのいい快適な岩礁歩きを楽しみ、次の入り江、江奈湾に入って車道歩きとなる。湾の出口付近には干潟が広がる。最近では貴重な干潟だが、奥は干上がって葦原となっていた。再びあらわれる岩礁帯はより広く平坦だが、山が迫っていて洞窟が多い。

眺めのいいベンチのような岩礁に腰をおろしてコーヒーとチョコマフィンを食べ始めたところ、ちょっとしたハプニング。マフィンを一口かじったところで右耳にバサッという音。エッと思う間もなく、気がつくと握っていたマフィンがなくなっていた。一瞬のことでまるで手品にかかったようだった。姿さえみせずに消えた犯人はトンビだった。背後から獲物を狙っていたのだろう。体のどこにもまったく接触せずひったくる感じもなく鮮やかにパンを奪い去った。びっくりして大騒ぎしたが、最後にはその手際の良さに感心することしきり。面白い経験をしたものだ。

岩礁の形状は複雑で時には岩壁ぎりぎりにしか進めないところもある。そんなところには足場が組んであったり橋が渡してあるが、満ち潮の時には海水に埋もれて通行困難となる。けれど心配することはなく、ちゃんと巻道もあるようだ。

毘沙門湾を回ると三つ目の岩礁帯となり、景観はよりダイナミックになる。千葉の沢に特有の何層もの地層が隆起した岩壁がここでも見られて興味深い。盗人狩とよばれる小さな入り江は、昔盗人が逃げ込んだところ行き止まりの垂壁に阻まれて逃げきれなくなって捉えられたという言い伝えに由来するとのこと。そんな逸話が生まれるほど、確かにどん詰まりの岸壁はすごい迫力だ。

宮川湾に入るとヨットハーバーみたいなところもあってグッと人臭くなり、岩礁のみちはここで終わる。四つの湾を三つの岩礁でつなぐコースだった。岩礁帯はそれぞれ性格が違うところがあって飽きることはない。昼食は三崎港でと考えていたが、楽しすぎて時間を費やしたため宮川湾の駐車場近くにある、まるもり食堂に入った。素朴な店だったが、たくさんの色紙が飾られていたので結構知られているところのようだ。

バスの本数が少ないので午後の散歩よろしく三崎港までぶらぶら歩き、市場で買い物をしてバスに乗った。灯台下暗しというのか、家からは1時間半ほどのところにこんな面白いハイキングコースがあるなんて今まで知らなかった。ぼっーと生きてるんじゃないね。

今シーズンは前例のないほどの暖冬のせいで(おかげとはいわない。。)、2月は沢へ雪山へ、海へとバラエティーに富んだ山行を楽しむことができた。

 

 

 

 

 

松輪バス停9:00ーまるもり食堂13:00/13:40ー三崎港14:15