ブナの沢旅ブナの沢旅
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2019.09.20
那珂川源流黒川
カテゴリー:備忘録

2019年9月20日

彼岸の連休は台風接近で天候が不安なため、急遽前倒しで日帰り沢ハイキングを計画した。日帰りなので遠出はできない。朝立ちで楽しめそうな沢をあれこれ探した結果、一般的にいう遡行価値は低くても未知の沢を開拓するのも面白そうだと、那須の那珂川源流黒川に向かった。

朝立ちだと余裕がないため前夜、那須塩原駅からレンタカーで道の駅那須高原友愛の森まで進んで仮眠。道の駅に泊まるのは久しぶりだが、テントを張って快適に眠ることができた。翌朝休業中の白河高原スキー場に向かい、手前の黒川橋の路肩に駐車する。沢装備で橋の下に降りればすぐに遡行開始だ。前回の柳沢川と違ってアプローチが楽チンだ。

最初は大岩ゴーロだが堰堤を左岸から小さく巻くと溪相が開けて明るい雰囲気となる。そしてすぐにナメが始まる。おもわずやったね〜と喜ぶ。とくに美しいというわけではないけれど、穏やかな流れが続き、故障者にやさしい沢であることは間違いない。内心、そんなにいい沢ならとっくに遡行されているはずだからすぐに平凡になるのだろうと、あまり期待しすぎないよう気持ちにブレーキをかける。

 

 

 

けれど予想以上にナメは続く。時々あらわれる小滝は深い釜をもちブルーの色がきれいだ。紅葉もいいだろうなあ〜とか、夏ならきれいな釜で安心して泳げるとか、やっぱり気持ちが浮き立っている。片側の側壁が立ったゴルジュ風のところを過ぎるとナメは終わってゴーロ沢となるが、雰囲気がよくて変化があるので苦にならない。小1時間ほど歩くと再びナメとなるが最初の平ナメより小ぶりながら変化がある。

そして再びゴーロになるが早くも源流の雰囲気が漂い、振り返ると麓が広がる。しばらくするとゴーロ歩きのご褒美のように美しい石畳風の滝があらわれる。その後もちょっとした滝がちりばめられていて何にもない沢ではない。

時々ボサがうるさくなるが、抜けるときれいなナメになってスッキリする。そんなことを繰り返しながら徐々に高度を上げていく。やはり歩くのが遅くなっており、けっこう時間がかかる。さすがに最後はガレ沢となるが登山道直下の水場まで水が枯れることはなかった。こんな風に源頭部をときに藪をこぎながら詰めていく沢というのは久しぶりのことで、ささやかでも達成感が得られた。

 

 

 

水場まではきれいに狩り払いされていた。登山道からたどってきた黒川を見下ろす。谷の切れ込みはあさくいかにもゆったりとした源流であることがわかる。前方には赤面山につらなる大きくずんぐりした山並みが広がり、穏やかな気持ちにさせてくれる。あと1ヶ月もしないうちにこの山々が紅葉に彩られるのだと思うと、また見に来たいと思う。

笹原につけられた一筋の道をたどって赤面山へ向かう。振り返ると三本槍から須田山、旭岳の連なりが見え、こうした角度から見る山並みが新鮮に感じられた。何年か前の冬に旭岳を南面から登ろうとして強風で撤退したのだが、その時向こうから見た那須の山並みがとても美しかったことを思い出した。

赤面山山頂は赤茶けた露岩の平坦地だが、展望が抜群にいいという事前情報通りだった。山名板によれば、越後の二王子や会越の中ノ又山まで見えるらしい。山頂は風が強いので、一通りの山座同定を楽しんだ後は少し下った見晴らしのいいところで休憩。

あとは登山道を下るだけなのだが、甲子方面との分岐からスキー場方面へ進むと殺伐とした石ゴロの道となる。歩きにくい道がずっと続くものだからだんだん腹立たしくなってきたころ廃墟と化したリフト乗り場があらわれる。ススキに覆われ、おもわずツワモノどもが夢のあと。。の句がうかぶ。さらにひと下りしてだだっ広い駐車場と荒れ果てたスキー場の建物に降り立ち、車道を歩いて黒川橋にもどった。

 

 

黒川橋6:45ー登山道12:30ー赤面山13:30ー黒川橋15:55

(総じて好印象でしたが、写真にはない長〜いゴーロがあります。その受け止め方はそれぞれでしょうが、ガッカリとならないためにもお知らせしておきます)