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2016.06.15
安達太良 深堀沢
カテゴリー:備忘録

2016年6月15日

 

最近は毎年6月に安達太良の沢へ行く事が恒例になっている。地元のyukiさんにいつもの杉田川か未遡行の深堀沢を打診したところ、以前私が安達太良の沢10本達成などと言った事を覚えていたのか、深堀沢に行けば目標達成だろうからと、ちょっと小振りで遡行価値が未知数の深堀沢に決めてくれた。

当日の朝東北線の五百川駅でピックアップしてもらい、あだたら高原スキー場へ向かう。晴れ間も期待できそうな予報だったが、どんよりとした曇空で山はガスっている。

入渓点と下山地点が離れているので、下山場所のスキー場駐車場に自転車をデポする。4月末に長い距離のある尾瀬御池から小豆温泉まで自転車で車を回収した実績があるyukiさんにとって今回はなんでもないらしい。いつも私は楽をさせてもらっている。

ガスで視界もなく肌寒いのに、駐車場にはそこそこの数が駐車しており支度をしているハイカーが大勢。さらにツアー登山客を乗せた大型バスも到着。今更ながら安達太良山の人気振りを思う。

自転車をデポ後、車道を少し戻り深堀沢を横断する林道入口へ向かう。林道は施錠されて通行止めされているが、現役のようだ。45分ほど歩いて沢の横断点へ。今回唯一参考にできた福島登高会の記録では更に下流の滑岩橋から入渓していたが、そうすると1時間半ほどもゴーロ歩きとなるので、これはあっさりカットすることにしたのだ。

確かに小振りのゴーロだし、どんよりと薄暗い。まあそんなに期待しているわけでないし、実際に遡行しないとわからないことも多い。沢に入れただけで満足な気持ち。それなので、しばらくゴーロ歩きでウォーミングアップした後に突然渓相が変わってナメがあらわれたときは思わずにっこり。やっぱり安達太良の沢だなあ〜

天気がイマイチなのが少し残念だったが、穏やかなナメがずっと続く。予想以上に長く続く。これまでの経験で言うと、ナメの長さで言えば安達太良の沢の中でもかなり上位にくると思う。ナメが終わるとふたたびゴーロとなり、飽きる頃またきれいな苔滝があらわれ日本庭園風となる。

二俣では明らかに左俣の方が水量も多く見栄えもいいのだが、本流は右俣だ。ここで長めの休憩をとり、斜面にたくさんはえているウドを収穫したり温かい食事をとる。

右俣に入るとすぐに水量が激減して伏流地帯となる。崩落した大岩が沢を覆っている。これで終わりなのかと淡々と進むと小滝があらわれ水流が復活する。ガスもとれて時折陽が射してきた。更に進むと10mほどのスラブ滝が立ちはだかる。フリクションがいいのでサクサクと登れるが、かえって疲れてしまうほどだった。

上段は石棚のような滝で下からみると10mほどなので、これがトポでいう2段30mなのか定かでなかった。右から中段までは問題なく登るが、ここからバンドをトラバースして滝頭へ抜けるところがやっかいだった。さわる岩がぐらついて信用できないのだ。予想外にもたついたが、何もないより楽しいといいながらやり過ごす。

滝上はふたたびゴーロとなり、もう何もなさそうな雰囲気だ。と、最後の6m滝が前方に。ここはさらに岩がもろく、50センチ四方くらいの大岩が押すとすぐに落下する。シャワーをさけるとかえって悪いのでここで雨具をきる。思わぬシャワークライミングだ。やれやれと這い上がると滝上はいい雰囲気の石畳風ナメが続く。以外と滑っているので気が抜けないが、この石畳は水涸れして沢型がなくなるまで続き、予想に反して最後はとても快適で穏やかな渓相だった。

最後は笹ヤブを文字通り一漕ぎする程度で登山道に飛び出た。そのまま表登山口分岐まで登り薬師岳に立ち寄る。展望はなかったが、こんな機会でもないと立ち寄らないだろうからと、立派な鐘をならして山頂タッチ。登山道の可憐な花々に目と足を止めながら駐車場にもどった。初めての沢はそれだけで楽しみを与えてくれるし、たくさんウドとタケノコを持ち帰る事ができた。

遠方から深堀沢だけのために来る程ではないかもしれないが、関東近辺にあれば、そこそこ遡行される沢だと思う。入渓を林道横断点とすれば冗長感もなく手頃な日帰り沢となる。あえて安達太良の沢10本というならば、これでリーチ。あと一本とは… (yuki、ako)

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林道入口8:30−林道横断入渓点9:15−二俣10:30−登山道13:15−薬師岳14:20−駐車場15:20

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