ブナの沢旅ブナの沢旅
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2011.01.10
鹿俣山
カテゴリー:備忘録

2011年1月10日

 

連休一日も山へ行かないのも寂しいけれど、行きたい山は吹雪いている。そこで奥多摩へ日溜まりハイキングでも行こうかと思っていたところ、山トモから急遽代休が取れたのでシューで武尊山に行かないかとメール着信。もちろん喜んで参加表明し、あっという間に雪山シュープランができた。

けれど予報は雪マークの暴風警戒。雪山に慣れている人は気にしないのかと思い、あとで聞いたところ、休みがとれた、さあ雪山だと、天気も見ずにメールしたとのこと。かえってそれが幸いして実現した山行となった。

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当日の朝、沼田駅でピックアップしてもらい、玉原スキー場へ向う。どのような豪雪地帯でもスキー場への道は除雪されているので、雪山へのアクセスにはとても便利だ。現地に着くと、かなりの強風ながら曇り空で思ったほど悪くない。すでに多くの車が駐車しており、多くが若いボーダラーのようだ。

最初は川場スキー場から高手新道を登って剣ガ峰というオファーだったが、いくらなんでも悪天では厳しいだろうということで、より安全な玉原から鹿俣山に変更。秋には一緒にとなりの鹿俣沢へ入渓しおり、おなじみの山域なのだ。

今シーズン初めてのスノーシューを履いて出発。ペンション村の車道を少し歩いて鹿俣山登山口に入るとまっさらな雪面となり、Kさん先頭で膝下程度のラッセルで進む。すぐにブナやトチの大木が林立する広い森となるが、方向だけ確認して適当にトレースをつけていく。年末からずっと雪のブナの森を歩きたくてうずうずしていたので、強風でも雪でもこうして歩けるだけで嬉しかった。すぐ隣がスキー場とは思えない、風の音だけが聞こえる静寂の森。
交代でラッセルをしようと言い出しておきながら、私が代わるとさっぱり進まない。その上写真をとったり地図を見たりとスローペース。いつの間にか引き離され追いつけない。きっと楽しいんだろうと解釈し、任せてしまう。

それにしても風が強い一日だった。標高を上げるにつれ強風(暴風一歩手前くらい)と寒さで顔が痛さで耐えきれず、二枚重ねの手袋でも指先が凍り付いたように痛くなる。体感温度はマイナス10度くらいだろうか。ネックウォーマーと手袋を追加するが、すぐに表面が凍りつくほどだ。

けれど山頂に近づくにつれ、深雪の美しさが増して行く。展望は得られなかったが、緩やかに伸びている枝尾根は樹氷のブナの大木に覆われ、凛とする美しさを感じる。あの尾根を下ると鹿俣沢かと思いながら最後のひと登り。

大雪庇を巻いて稜線にでる手前からうっすらとトレースが出てきた。スキー場トップからのトレースかもしれない。このころから時折薄日が射しはじめる。強風のおかげで、すこし厳しい雰囲気も加わり、雪山に登っているという実感がわいてきた。

Kさんのパワーラッセルのおかげで苦労することもなく山頂へ。悪天のため、最悪の場合は雪降るブナの森をシューで散策できれば十分ハッピーという気持ちだったので、喜びもひとしおだ。さらに、山頂では一瞬だが雲が晴れて太陽が輝き、ウソのように風もぴたりとやんでいる。斜面の森からはゴーゴーと風の音が響いているのに、山頂だけが無風状態なのだ。

写真を取り合ったりしてしばし休憩後、獅子ケ鼻方面の稜線をもう少し進んでみることにした。うっすらと見える行く手の稜線は東側に雪庇が張り出し、なかなかの景観だ。地図の1700mポコ手前の平坦な所で昼食休憩とするが、何しろ烈風の中。粉雪が吹き付け、おちおち休んでいられない。二人とも、そろそろ感が出てきたのか、これから先は近いうちに予定している「雪山プロジェクト」のためにとっておこうと、ここで引き返すことにした。

あれだけしっかりつけたトレースだったが、帰りにはほとんど消えかけていた。今回は、困ったときはスキー場へ逃げられる、という山だったので安心だったが、雪山はほんとうに油断できない。まだ雪山のいろいろな状況の経験が少ないのだが、少しずつ経験を積んでこそ得られるものは大きいのだと思った。

下りはあっという間。短い時間だったが、思う存分雪山歩きができた。すでにたくさんプランはできている。今シーズンの雪山では、どのような出会いと感動が得られるのだろうか。胸躍る気持ちを抱きながら帰路についた。

玉原スキー場9:30ー鹿俣山12:05/12:15ー1700mピーク手前12:45/13:00ー鹿俣山13:22ー玉原スキー場14:40