ブナの沢旅ブナの沢旅
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2011.01.05
大倉~丹沢山〜棚沢ノ頭
カテゴリー:ハイキング

2011年1月5日

 

新年初山行は、おなじみの丹沢へ富士山の展望を楽しみながらの日溜まりハイキング。このところしっかり歩いていないので、少しロングコースにした。できれば蛭ケ岳を往復したかったのだが、とにかく足が重くて途中で諦めた。

毎年11月下旬から12月にかけて順調に丹沢主脈を歩いていたので、今回の脚力低下はちょっとショックだった。毎週のように山に行っているのだが、考えてみれば最近はゆるい山行ばかり。

昨年最後の谷川岳も気持ち的にはてんぱっていたが、山登りとしては楽だった。今回はその逆で気持ちは超お気楽ながら、体力的には目一杯。

最初は焼山登山口からの縦走を考えたのだが、平日のため適当な時間のバス便がなく大倉から往復することにした。渋沢駅から大倉行始発のバスに乗ると、ほとんどが高年者で、みなさんお元気。私も頑張ろうと歩き始めたのだが、どうも調子がよくない。まるでボッカをしているように足が重いのだ。ええっ、こんなはずじゃあ・・・

最初から弱気になり、一時は本気で、今回の山行はなかったことにしよう、などと思うしまつ。それでも真っ青な空にそびえ立つ富士山の展望に慰められながら、なんとか塔ノ岳へ。日の短い今の時期、明るいうちに下山するには蛭ケ岳12時がタイムリミットだ。2年前はちょうど12時に到着。ところが今回は、塔ノ岳ですでに10時近くになってしまった。

蛭ヶ岳は無理だが、とにかく12時まで先へ進もうと重い腰をあげて出発。多くのハイカーは塔ノ岳までしか行かないようだが、むしろここから先が丹沢の魅力だと思う。相変わらず足は重いが、もう蛭ヶ岳という欲張りな目標はなくなったので苦しくならないペースで歩く。登山道は木道が修復されたり新設されたりで、歩きやすくはなっているが、それに比例するかのようにブナの立ち枯れは進行しているようだ。

誰もいない丹沢山のベンチでコンビニの海苔巻きをほおばり、あと1時間頑張ろうと蛭ヶ岳方面へ進む。とても気持ちのいい稜線漫歩が楽しめるところだ。不動ノ峰が近づいて来ると、あそこまで行こうという意欲もわいてきた。

不動ノ峰は山頂がブナ林に覆われていて展望はないが、丹沢山南面と違ってブナが元気で力強さを感じる。そういえばもう少し先に展望ベンチがあったはず。少し進むと急に展望が開け、再び大きな富士山と、蛭ヶ岳が間近となる。このすばらしいパノラマを目にしたとき、思わず「もう今日はここでいいよね」と空に向って独り言。もちろん未練はあったし、行けそうだなという気もしたが、また来ればいいと鞘をおさめる。小さなベンチに腰かけ、しばらく景色を眺めてから、来た道を戻ることにした。

そうと決まれば余裕がある。帰路は往路の修行分を取り返すくらい気持ちよくルンルン気分の稜線漫歩。途中、例の不気味な観音像が安置されている休憩所で再びひと休み。焚き火の跡があった。禁止されているのでいけないことだが、ここでテント張って焚き火したら最高だろうなあと思う。

塔ノ岳に戻って来たときには時間も遅かったのか、静まりかえっていた。さあ、あとは大倉尾根を下るだけ。もう十分に山歩きを堪能したので、私なりの一気呵成に下り3時台のバスに間に合って余裕の下山となった。

残念なような、それなりに頑張ったような気持だ。不動ノ峰のステキなブナ林の樹氷や新緑を見るために、また近いうちに歩きに来よう。そう思いながら清々しい気持ちで帰途についた。

不動ノ峰1 不動ノ峰2

不動ノ峰3 不動ノ峰4

大倉7:10~塔ノ岳9:55~丹沢山11:00/11:05~棚沢ノ頭11:50/12:10~丹沢山12:56~塔ノ岳13:55~大倉15:45