ブナの沢旅ブナの沢旅
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2009.11.28
雲取山
カテゴリー:山歩き

2009年11月28日

 

奥多摩駅までの電車はさながら登山客専用列車のようで、駅では臨時バスが列をなしていました。紅葉の盛りを過ぎてもこの混みようですから、最盛期はもっとすごかったんだろうなあと物珍しげにバスに乗り込みましたが、鴨沢で下りたのは数人ほどでした。あれっ、こんなに少ないの。支度もそこそこに歩き始めるとさっそく熊出没注意!という真新しい大きな看板が目に飛び込んできました。

薄暗い植林帯に入り気持ちが落ち着かないでいると、単独の男性が早足で追いついてきたので軽く会話。やはり日帰りピストンのようです。あっという間に見えなくなりましたが、内心これで熊が出ても襲われるのはあの男性だとか、何かあってもじっとしていればあの男性が戻ってくるから大丈夫などと、さんざん身勝手なことを思って安心したのでした。

しばらく歩くと車道に出ました。脇の広場にはたくさんの車が駐車してあり合点。なーんだ、みんなここから登るのか。1時間近く短縮できるではないですか。100mほど車道を歩いて登り口へ行くと4人パーティがタクシーからおりて身支度をしていました。

挨拶をしてきたので思わず、ずるーい!と(かわいく)応対。ではまた後でというので、追い抜かされないようにしようとカラ闘志を燃やし先へ進みました。

帰りのバスの時間4時48分から逆算して1時半を登りのタイムリミットに設定。歩き始めたのが9時10分ですからかなりチャレンジングですが、さいわい登山道は傾斜も緩くとても歩きやすい道です。

丹沢の大倉尾根は苦手だけれどそれなりの効用はあるようで、どんどんペースが上がりました。唐松谷林道へ続くブナ坂からは雰囲気が一変し、広々と気持ちのいい草原の尾根道となります。このあたりでようやく山頂へ行けるという確信が生まれました。

奥多摩小屋からひと登りで雲取山の山頂へ。なんだかあっけなく着いてしまいましたが、山頂で休んでいるうちに、よく来たなあという気持ちが込み上げて来ました。まだ1時前でした。

途中一度7分ほど休んだだけで歩き続けたのです。急にガスがでて視界はほとんどなくなってしまいましたが、その時は登頂に満足するだけで、どのみち展望を楽しむ余裕はあまりありませんでした。

何度も登っているという単独の男性によれば、2月の一番雪深い時期でも必ずトレースがあり安心して登れるので、冬は本格的な雪山をやらない人にも人気があるそうです。頼んで写真を撮ってもらい、20分ほどで山頂を後にしました。

帰りは余裕たっぷり。ときどき2万5千の地図を出して尾根や谷筋を同定するのも楽しい作業です。奥多摩小屋の先に消えかけた水場の標識があり、少し入ってみました。

ここが11月初旬に歩いたヨモギ尾根に続いているようです。途中でギブアップした青岩谷を挟んだ水無尾根の向こうに奥秩父主脈十走路の稜線が一段と高くなだらかにつらなっています。いつか歩いてみたいな。一人で歩けるかな・・・

下りも快適です。時間もあるのでブナ坂で一瞬七ツ石山を経由することも考えましたが、油断は禁物。この間、小屋泊らしい登山者が何組も登ってきます。尾根を大きくトラバースするところで涸沢を横切ります。

片倉谷が横切ったすぐ下から水を流しています。とても暖かい一日だったので、沢音を聞くとやはり沢を歩きたくなります。ここに詰め上げるなんてとてもすっきりした遡行ではないですか。

鴨沢からのコースは時間もかからず歩きやすいのですが、全体に単調な印象。隣のヨモギ尾根~ニジュウタキ尾根の方がはるかに好印象です。小さな平坦地の堂所から道は尾根をはずれ山腹にそっていきます。

さすがに飽きてきて淡々と下り、車道にでました。誰か乗せてくれないかなあと期待するのもむなしいので、さらに登山道を足早に下ってバス停へ。

バスが来るまで40分強。登りを急ぎすぎたとか七ツ石山に立ち寄ればよかったとか悔やみながらも、遠いと思っていた雲取山が電車とバスでも日帰りできることがわかり収穫でした。

そういえば、先週は神奈川の、今週は東京の最高峰に登ったことになるのだと一人悦に入りながら、ようやくやってきたバスに乗り帰路につきました。

 

鴨沢バス停9:10-ブナ坂11:48-雲取山頂12:50-鴨沢バス停16:07