ブナの沢旅ブナの沢旅
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2009.10.17
小楢俣川洗ノ沢
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2009年10月17日

 

前日の米子沢が二日分の充実感を味合わせてくれた翌日、曇り空もあり出発がやや遅れましたが、ともかく行こうと泊まり場の水上から洗ノ沢に向かいました。途中、巨大な奈良俣ダムを見上げ、さらに湯の小屋温泉を経てならまた湖に出、オートキャンプ場の手前にあるゲート前に駐車。

そこから30分ほど立派な舗装道路を歩くと、洗ノ沢のすぐ脇に出ます。途中、大きなカゴを背負った地元の人たちが「こんなに採れないよー」と言いながら自転車で追い抜いて行き、きのこが採れるかなあと淡い期待を。

洗ノ沢は、笠が岳に端を発し、20年ほど前にダムができるまでは小楢俣沢を合わせ楢俣川に注いでいましたが、今は直接ダム湖に流れ込んでいます。

楢俣川の中では最も手前にある沢で、もともとの計画では、akoさんの引き出しの中に詰まっているたくさんの「行きたいリスト」にある、ずっと奥のヘイズル沢や狩小屋沢、さらには本流を詰めるといったいろいろなアイデアがあったのですが、今回はそのさわりをということに落ち着いたのです。

でも、洗ノ沢は紅葉のしっとりとした森を流れる小さなナメ沢で、クールダウンの沢ハイキングとしては十分楽しめました。

実は、洗ノ沢はYにとっては3回目。といっても2回は渓流釣りの先輩に手ほどきを受けるため下流部を遡行しただけ、あの先にはなにがあるのだろうと行きたかったところでした。

中流部は小滝やナメ滝がつづき、緩やかに笠ケ岳に突き上げます。日帰りで笠ケ岳まで遡行した記録もあります。けれどそれは端から無理だとわかっていたので、昼くらいまでのんびり沢ハイクを楽しんでから適当な枝沢を詰めて登山道に抜ける計画にしました。

最初はゴーロ歩きが続きますが、以前大物をしとめた最初の滝を越えてからは小滝とナメがつづき、小ぶりながらとても心安らぎます。突然、錆びたレールが沢の中に現れ驚きましたが、昔沢沿いに森林軌道があった名残です。

嬉しいことに陽がさし始め、森の紅葉を引き立たせてとてもきれいでした。滝は小さくても釜は深く、尺イワナが泳いでいました。ちょっとした水溜りのようなところでは、あわてたイワナが右往左往。岩窪に追い込んで手づかみしようと遊んでみたり、あっという間に時間が過ぎていきました。

洗ノ沢最大の12メートル滝までもう少しではありますが、昼になり、1200メートルあたりまで来て、ちょうど沢が登山道に最も近づいたところで、左岸に小さな窪があり、見上げると稜線が見え、なんとか上れそうだったので、ここまでとしました。急斜面をよじ登り、藪こぎもなく30分ほどで1335地点近くの登山道に出ました。

登山道は落ち葉がクッションになりとても歩きやすく、振り返って見えた笠ヶ岳はまさに笠のような美しい山容でした。上部は草原状で頂上近くがハイマツの藪であることが見て取れます。

沢ルートも尾瀬側を含めいくつかあるので、いつか登ってみたいなと思いながら快適な登山道を下って湖岸の車止めにもどりました。(Y記)

 

 

 

 

林道ゲート7:35-入渓点8:00/20-1200m付近11:40-登山道12:10/40林道ゲート14:15