ブナの沢旅ブナの沢旅
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2008.11.09
早戸川原小屋沢
カテゴリー:備忘録

2008年11月9日

 

早朝本厚木駅からレンタカーで魚止橋へ向かう。日の短い季節なので前夜発にしようか迷ったが、途中で時間オーバーになったら引き返すことも念頭に入れて当日決行となった。魚止橋に車を止め雷平へむかう。

曇り空だが思ったほど寒くなく、紅葉を楽しみながら早戸川に降りる。2月に来たときに渡った橋は壊れていたので、ここで沢靴に履き替える。そのあとも渡渉点の橋はみな渡れなくなっていた。

雷平からもしばらくは左岸の踏みあとをたどっていくと前方に大きな滝があらわれた。開けた両岸の紅葉を背景に豊富な水量を落としている大滝はみごとであり美しい。たしかにこれまでに知っている丹沢の沢の雰囲気とは違う開放感がある。

右岸の踏跡も歩きやすく、先週の鳥屋待沢の巻きの悪さと対照的だ。滝上のトイ状滝10mを越えるとナメと小滝、大岩のゴーロがつづく。難しいことはないのだが、ナメや小滝はとにかくぬめっていていやらしい。

しばらく進むとカサギ沢が幅広のナメ滝をかけて出合う。こちらの方が水量も多く、広々としてとてもいい雰囲気だ。いつかカサギ沢やカヤノ沢も遡行してみたい。

原小屋沢は左に曲がり右岸にボッチ沢が入ると前方右奥にバケモノ滝10mが顔をのぞかせる。おどろしい名称だが、開放的な渓相のなかで沢幅が急に狭く奥まったところに薄暗く不気味に見えるからなのだろうか。

左手の枯葉の積もった崩れやすい斜面から高巻くが、見かけよりも悪い。小尾根に登って見下ろすと沢床ははるか下で一瞬ひるむ。緩く張り出した尾根を下ると最後はビニールのロープがかかっていた。沢はゴルジュっぽくなり、2段6メートルを越えると3段20mの滝となる。

左岸の巻き道はしっかりしているが足元が切れ落ちていて緊張する。懸垂するようなことが書いてあったが、下降のところには残置シュリンゲがあって簡単に下りることができた。

問題は次の10m滝だった。滝手前の右壁から小さく巻いて懸垂下降したのだが、ロープを引っ張ってもびくともしない。あきらめてsugiさんがロープを回収するために左手のガレルンゼを登ったのだが上部が悪く手こずった。あとで少し先に緩い斜面があることに気づき、ルートをよく見ないといけないと反省。半時間ほど時間をロスしてしまった。

先を急ぐとすぐに緩やかな傾斜のガータゴヤの滝30mがエレガントな姿をあらわす。緊張の高巻きが続いた後だったので、ホッと心が和む光景だった。右岸の草つきに鎖があるらしいが、左岸を巻いた方が簡単なようだ。紅葉と美しい滝を愛でながら滝上へ。

大きな釜を持つツルツルの滝が続くが、さび付いた太い鎖につかまって越える。これで核心部は終わったと安堵。滝上は突然のように穏やかな小川のせせらぎとなる。スケールは違うけれど、こういう展開って赤谷川と同じだなぁ。

気持ちが楽になりゆったりした気分で先に進む。両岸に広がる台地の中を沢は穏やかに流れていく。途中あきらめかけた昼の大休憩をとった。先週の鳥屋待沢ではキノコたっぷりのカレーうどんを作ろうと鍋を持参したのだが時間がなかったのだ。2週連続でお持ち帰りなんてがっかりだと思っていたが、カラマツ林の素敵な台地で暖まることができた。

右岸には稜線が迫ってきた。もう源頭部も間近なはず。いくつかの枝窪をやり過ごし、地図で確認して右岸の取り付きやすそうな斜面を登っていくと、さらに先に尾根が見えた。

そこが登山道だろうと向かってみたものの、登山道らしき道跡が見つからない。しだいに辺りはガスで白んできて気持ちが焦ってしまう。北の方向に進んでみたものの現在地に確信がなく不安が募るばかり。思い切って沢に戻ることにした。

 

沢を忠実に詰めていけば必ず尾根に出られる。水の涸れた沢筋をたどると最後の二俣へ。右の方が本筋らしく見えテープもある。あとから考えるとこれが間違いだった。右のガレ筋を少し登ればすぐに縦走路だったのに・・

 

右俣を詰めて枝尾根に上がり、北方向へ少し下って登り返すと広い尾根となって明るい草地とベンチが見えてきた。姫次についたらしい。一挙に気が抜けてほとんど泣きそうな気分。

 

道迷いで帰れなくなるのではないかと不安だったのだ。けれどまだ油断は禁物。榛の木丸の尾根へと急ぐ。5分もすると目印の戸屋造林組合管理地の看板が見え、明瞭な道となる。

なだらかでとてもいい雰囲気の尾根だ。展望の開けたところからは全山紅葉に染まった山々に息を呑む。小雨模様で薄暗いのが残念。2度登り返して広い台地状の榛の木丸へ。

ここからは伝道へ下る南東尾根へ進む。尾根が広がっていて少しわかりにくいが、テープが随所にあり迷うことはなかった。途中から鹿柵沿いに急降下し、1000m付近で尾根を外れてジグザグの仕事道を下る。辺りは薄暗くなり仕事道も不明瞭になるころ左手に沢が近づく。

最後は小尾根をくだって小さな沢に下りるとすぐ目の前に林道の橋が見えほっとする。迫り来る暗闇と競争するように林道を下って魚止橋に戻ったときには真っ暗になっていた。

魚止橋7:30-早戸川渡渉点8:15/8:40-雷平9:00-雷滝9:30-ガータゴヤ滝12:20-1230m付近の川原13:15/14:00-登山道尾根(迷ってうろつく)-姫次15:10-榛の木丸15:50-(南東尾根)-伝道沢橋上林道16:45-魚止橋17:00