ブナの沢旅ブナの沢旅
▲トップページへ
2007.07.28
竜喰谷
カテゴリー:

2007年7月28-29日

 

安達太良の石筵川でのんびり焚き火をするはずだったが、またしても天候不順のため転戦を余儀なくされる。前日に変更したため時間的余裕がなく、一度会の春の沢集中で行って印象がよかった竜喰谷へ。

大月でレンタカーを調達して柳沢峠経由で入った。なまじ中途半端な記憶があったために入渓点を間違えてうろうろする。仕方ないので駐車した石楠花橋から500mくらい下の枝沢から一の瀬川に出て、そこから出合いを目指して登っていった。

渡渉を繰り返したり、途中すばらしいナメ床が何十メートルか続いていて大行沢よりきれいなどと、いい感じで進んでいったが、どうしても越えられそうにない大岩の滝に阻まれ、どうしよう・・。左の斜面を登り返してまた振り出しにもどることに。

もう気分的に疲れてしまい、狐につままれた気分。気を取り直してもう一度林道を下っていくと、すぐに左手に数台駐車できるスペースがあって、ピンと来る。林道右手にはテープもあるではないか。最初にここから下ったと思い込んでいた所は確かにスペースが広すぎた。すぐに明瞭な下降のふみ跡もあり、いとも簡単に沢に下ることができた。

それにしても記憶のなんとあいまいなことか。思い込みというのは恐ろしいものだと、深く反省。対岸に渡渉するとすぐに右手から沢が入っていて、本流には数メートルの幅広の立派な滝がかかっている。ようやく出発点に立って、まるで目的を達成したかのような安堵感に襲われる。やれやれ。

一休みしてからは、しっとりと緑のきれいな沢を快適に進んでいった。最初の5m滝はあっさりと左岸を巻く。水量が豊富でとても登る気分でない。ナメが多く、気持ちも弾む。2年前に来たときは強気のリーダーのもと、とにかく滝をすべて直登したことだけ覚えていて、あとは余裕がなかったのか、なんとなくきれいだったということしか覚えていない。幅広8m滝は右岸の水流脇を登る。しばらく行くと下駄小屋ノ滝。下部を左リッジから登り、上部は高巻く。

8m階段状の滝も高巻くが、10mの曲り滝も一緒に巻くところを間違えて一度沢にもどってしまう。また登り返すのもなあと、左岸脇の急なルンゼに取り付くが上部が悪くて苦労してしまう。何とか登って藪を書き分け、適当に沢に下った。

二俣からは沢も小ぶりになるが、数メートルほどの滝やナメが続いて楽しい。途中左岸側が開けたところで雨が降り出したので、このあたりでテントを張ろうかと思うまもなく土砂降りとなり、とりあえずタープを張って雨宿りする。30分ほどすると晴れてきたので、もう少し先に進むことに。相変わらず小滝がつづく。左岸から枝沢が入ったところの右岸の一段高くなったところに平地があり格好のテンバだ。

標高1340mくいだろうか。地図に書き込みを入れたので等高線がはっきり見えないが、二人の高度計はこのあたりをさしていた。焚き火の跡もあり、ここでテントを張ることにして行動を終える。

テントを張って雨に備えタープもうまく張れた。つぎはお目当ての焚き火だが、ただでさえ苔むしてうっそうとした森の中で木が湿っていそうなところに、先ほどの土砂降りであまり期待できそうにない。ともかく枝を集めて火をおこそうとしたがうまくいかない。

水餃子とソーメン、タラの西京漬、サラダというちぐはぐな取り合わせ。それでも火をくすぶらせながら、リラックスした楽しいひと時。虫はいないし雨も降らず朝を迎える。

 

 

5時前におきて軽くパンで朝食をすませ7時前には出発。次第に沢は小さくなるが、水量豊かな小滝が続く。すると小一時間ほどで突然目の前に丸太橋が。ここが予定していた終了点?でも高度計はまだ1460mくらい。丸太橋は1520m。2年前の丸太橋の記憶より開けたところにあるように感じ、高度も合わないし、おかしいなあと思い、さらに進んでみることに。

ここでもあいまいな記憶があだとなってしまった。どんどん進んだのに現在地が地図とあわない。ついに1600mまで行ってしまう。やはりおかしいので、丸太橋にもどることにした。1時間のロスタイム。

昔の遡行図だから変わってしまったのかなあなどといいながら、装備をといていると林道から大常木を遡行してきたという2人パーティーがやってきた。やはりここは1520mの地点なのだ。二人の高度計が60mずれていた。

地図をよく見れば、テンバの二俣は1400mじゃないか。もうすべて勘違いだ。我ながら情けなや!でも、あとは下るだけ。のんびり休んで、反省して下山へ。しばらくすると橋をよこぎる。途中で左の楯ノ沢に入っても林道にでられるわけだ。歩きやすく整備された林道をいくと将監峠にむかう登山道とであう。

登山道を下れば一の瀬に下れるが、途中林道に入って下ると近道で二の瀬に出られるらしいので、そちらに下ってみることにした。一挙に下って沢に出合い、あとは沢沿いの道を行くとすぐに二の瀬の車道に下れた。このころからまた雨がぽつぽつ降り出し、車にもどるころには本降りとなった。うーん、なんだかチン道中だったけど、終わりよければすべてよしかな。

大きな滝はみんな巻いてしまったけど、2年前には竜喰谷に自分で来ることができるなんて夢にも思わなかったのだから、とりあえずやったじゃん、かな。柳沢峠に向かうと次第に空も晴れ、大菩薩の湯につかってゆっくり食事をして帰った。