ブナの沢旅ブナの沢旅
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2008.12.14
守門大岳
カテゴリー:雪山

2008年12月14日

 

朝一番の新幹線で長岡駅に到着後、samさんの車で守門の猿倉橋へ向かう。雪が少ないため長峰近くまで車で入ることができた。天気予報では雨だったので、せめて雪になることを期待してやってきたが、幸い雨はやんで視界も悪くはなかった。

林道を少し歩いて雪がついてきたところでスノーシューに履き替える。山々の森は樹氷をまとい美しい。いよいよ雪山シーズンの到来だ。今シーズン初めての雪山であり、シューをはくのもまだ3回目。

天候しだいだけれど、大岳まで行けなくてもキビタキ小屋付近のブナ林で遊べれば満足という、控えめな目標設定だった。けれど歩き始めて雪をまとった凛々しい守門岳が見えてきて天候も穏やか、メンバーも申し分なしとなれば、当然気持ちは盛り上がってくる。

保久礼小屋はすらっと背の高いブナが林立する広い平地に建っていた。無雪期にはこんな素敵な場所に車で簡単に来ることができるらしい。ここからは雪で埋もれた登山道をゆっくりと登っていく。

登山道沿いのブナ林は二次林で小ぶりだが、左手谷側の斜面には大木の森が広がっている。この森が見たくて守門を選んだようなもの。いいねえーを繰り返していると、褒めすぎだよとsamさん。

ブナの森を堪能しながら高度を上げていくと真っ白な大岳が見渡せるようになり、またまた感激の歓声。時折青空も顔をのぞかせあたりの山並みもくっきりと見渡せる。申し分のない眺望だ。

雪質もまっさらのパウダー状になり、三人三様で大喜び。今シーズン初めての雪山で大歓迎され、とても幸せだった。なだらかに広がった斜面を各自好きなように踏みしめて最後の登りを楽しんだ。

ずんぐりした山なのでどこがピークかわからなかったが、釣鐘のフレームが見えてきて頂上に立ったことを知った。反対側は切れ落ちた絶壁のようになっていて大きな雪庇が張り出していた。

南側に行くと袴岳から星雲岳の稜線が雄雄しく連なりを見せている。カッコいいなあ。積雪期にはさらに烏帽子山や黒姫までたどることができる。いつか繋げて歩ける時が来るのだろうか。冬の守門でこれほど天候が穏やかで眺望がいい日は珍しいのだそうで、私たちは幸運のようだ。

さあ、つぎなるお楽しみは眺望を楽しみながらの快適なスロープ下りだ。samさんがスキーの支度をしている間、シュー組が先行。こんなに素晴らしいところをあっという間に滑ってしまったらもったいないよとは、スキーができない身の言い分。

シューでサクッサクッと雪をける感触を楽しみながら下っていくと、ヒャッホーという歓声とともに瞬く間に滑り降りていく。カッコいいなあと見とれながら、私たちシュー組はあくまでマイペース。右手の谷筋にブナの森が広がり始めたので、尾根を離れて森に分け入ってみた。広いブナの森は原始の姿のまま。その中を自由に歩けるのも雪のおかげだ。

沢に水が出始める手前から再び斜面を上がってトラバースしていくとキビタキ避難小屋へたどりついた。かわいいとんがり屋根の小さな小屋で中もきれいに使われている。寒くないので気持ちのいい外でベンチを作り、温かいうどんの昼食とする。

みな予想以上に楽しく素敵な雪山遊びができ大満足だった。さらにひと下りで保久礼小屋へ。先についているはずのsamさんがいない。少し気を揉んで待っていると、藪につかまって苦労して少し方向が見えなくなったのだという。全体行動すべきだったと、単独行動を少し反省したようだ。確かに悪天候のときははぐれて遭難ということもあり得ると、みんなで冬山の心得を確認しあいながら来た道をたどって車にもどった。

こうして今シーズン初の雪山山行を楽しく終えたつもりだったのだが、さらに予想外のおまけがついていたのでした。メールでsamさんがナメコ取りにご招待などと書いていたのは知っていたが、正直あまり意識にはなかった。人里から離れていないこんなところに、というところで見つけたというので軽く考えていた。

車は大白川をこえ下黒姫沢方面へ。さあ着いたといわれ、ついていくとまずは急斜面の崖を下って沢を渡る。ご本人は長靴に履き替えているから問題ないのだろうが、私たちは登山靴のままで滑ることこのうえなし。Yさんはやっとの思いで渡ったけれど、私はギブアップ。戻って待とうとしたらsamさんが下りてきて、どうしてもナメコ狩りをさせたいらしい。

彼の足をストッパーにして沢を渡り斜面を登っていくと、今度はいやらしい高巻きのトラバース。こんなの聞いてないよーと泣きを入れても、ナメコにとらわれている御仁の耳には届かないらしい。やっとの思いで這い上がって秘密の場所へ。

なんと、そこにはぬめり輝くナメコが群生していたのだった。samさんはなんとしても私たちにこのナメコを見せて採らせたかったのだ。最初はヤレヤレと苦笑もしたのだが、あとで思うと私たちのために下見をして採らずに帰ってきてと、とても感動したのだった。ありがとね。

*

長峰前林道9:00~保久礼小屋10:00~大岳12:15/35~キビタキ小屋13:15/50~保久礼小屋14:15/25~林道15:00