ブナの沢旅ブナの沢旅
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2022.05.12
天城山〜天城峠(天城縦走路)
カテゴリー:山歩き

2022年5月8日

新緑のブナにどっぷり浸った山歩きがしたくて天城山から天城峠を歩いた。天城山はシャクナゲの時期にはハイカーが押し寄せるが、まだ時期的に少し早いので日曜日ながらそれほどの人出はなかった。多くは万三郎岳から周回コースで登山口にもどるため縦走路から天城峠に下る人は少ないようだ。

伊東駅から一時間ほどバスに揺られ天城縦走路登山口へ。降車した目の前が登山口。さっそく歩き始めるが登山道は荒れ気味で歩きにくい。ところどころにウクライナの国旗と見紛う標識が木にくくりつけられている。5年前にはなかったはず。最初はウクライナ支援の意思表示で有志がつけたのかしらなんて思った。けれどそれはないだろから、自分の気持ちとしてそう受けとめる。

万二郎岳で遅い朝食をとっていると同じバスのハイカーが続々と登ってくる。天城縦走路はここからブナのプロムナードが始まる。ヒメシャラとアケビがブナのコンパニオンのように並んでいる。まだだと思っていたシャクナゲも咲き始めており鮮やかな彩りを添えていた。天城山のシャクナゲは大輪なので満開になると「てんこ盛り」状態で too much と思ってしまう。今くらいの方が好ましい。

万三郎岳を素通りすると途端に人がいなくなる。山桜の大木にはまだ花が咲いていた。高曇りの空に青空が広がり始め、新緑がきらめいてとても美しい。気持ちのいいブナの広尾根を下り小岳のベンチで一休み。見渡す限りブナ、ブナ、ブナで多幸感にひたる。

急斜面をジグザグに下って戸塚峠を越えると広尾根が茫漠としてどこでも登山道に見えてしまう。注意して標識を失わないように進むとふたたび道が明瞭になる。八丁池までほとんど平坦な道で、ヒメシャラが混じるブナの原生林が続く。ところどころ杉や檜の植林となるが、そういうところは5年前にはなかった倒木が多く荒れている。2年ほど前伊豆箱根地方を襲った大型台風の影響だろうか。

万三郎岳周辺ではブナの幹が黒っぽい苔で覆われていたが、縦走路を進むにつれ幹の色合いも明るくなり、淡い緑と相まってやさしい雰囲気だ。八丁池に近づくと樹高の低いところから大きく枝分かれしたブナの大木が目につくようになる。狭い範囲でも少し場所が変わるとブナの形状も変わるのが興味深い。

 

 

 

 

 

 

 

 

八丁池は人っ子一人もおらず静寂に包まれていた。バスを一本遅らせることにして湖畔でゆっくり時間を過ごす。八丁池周りには複数の散策路があり、八丁池口のバス停からは4~50分で池に来ることができる観光地のようだ。案内板には昭和30年代の写真が掲載されており、それは冬にアイススケートリンクになった池で大勢の人たちがスケートを楽しんでいる姿だった。やはり温暖化は進んでいるのだと思わせる光景で興味深い。

天城峠までが遠かった。幾つかの散策路の大見分岐点からは片斜面のトラバース道が続き疲れる。藤ヶ沢を巻き登って下るとふたたび広く平坦な道にかわり向峠へ。同じようなブナ林の景色が続くが、次第に疲れもでて淡々と先を急ぐような気分になる。ヒメシャラやブナの大木が目立つようになり、ようやく天城峠についた。峠の手前には天城縦走路で一番と思えるブナの大木。峠のベンチの後ろの大木と合わせ、それなりに峠の雰囲気だと今回は感じることができた。前回は「天城峠」という響きに期待を膨らませて拍子抜けしたからだ。

峠から西に伸びる登山道は伊豆山稜線歩道となる。仁科峠まで続いており次回は天城峠から仁科峠を歩いてみたい。3年前に仁科川三階ノ滝沢を遡行した時はじめて仁科峠を通ったのだが、ゆったりと開放的な気持ちのいい所だった。旧天城隧道に下り、トンネルの中を覗いてみると奥には灯りがついている。通行できるのだろうか。1904年に完成した明治後期を代表する隧道として重要文化財に指定されているとのこと。最後は観光客となって興味を惹かれた。天城峠バス停で休みながら新天城トンネルを抜けてやってきたバスに揺られ修善寺から電車で帰路に着いた。

 

 

 

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登山口8:55ー万二郎岳10:00/10:15ー万三郎岳11:25ー小岳11:45/12:05ー戸塚峠12:40ー八丁池14:00/14:30ー天城峠16:15ー天城峠バス停16:40