ブナの沢旅ブナの沢旅
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2019.01.04
竜門山〜古部山〜境沢ノ頭〜棚横手山〜甲州高尾山
カテゴリー:山歩き

2019年1月4日

新年の初山歩きで山梨県の知られざる山々をつないでみた。竜門山から境沢ノ頭と聞いてピンとくるならばかなり渋い山好みの人だろう。かくいう私もこれまでまったく眼中になかった山域だった。これから山歩きが多くなることを見越して、新境地の開拓をしようという「新年の抱負」の手始めというところだ。

山梨県はかなり山奥まで林道が拓かれているため、登山道がない尾根でも比較的アプローチしやすく、いざとなれば林道にエスケープもできるため、バリエーション愛好家によってけっこう歩かれていることがわかった。初めての山で読図しながら道なき道を歩くという楽しさを最近忘れているのではないか。そう思うと、駅から駅をつなぐ低山ハイキングも興味が湧いてきたのだった。

いまだ日が短い時期なので甲斐大和駅からちょっとだけタクシーを利用して1時間をかせぐ。竜門橋から歩き始め、橋を渡って林道を少し進んだところから適当に尾根に取り付く。最初はいつも急登だ。1128mに乗ると展望が開け富士山や南アルプスの真っ白な山並みがはっきり見える。空は怖いくらいの快晴で、いかにも新年初登り。

緩やかな尾根の初っ端には木の階段があり、明瞭な作業道が合流している。山腹をからむ林道に通じているのかもしれない。尾根はところどころ小さな松の木がはびこっているけれど概ね歩きやすい。1231mには石の小さなお社があり、正月のためか新しいお酒が供えられていた。

いつしか尾根は気持ちのいい雑木林となり、ところどころ白樺が混じって白く輝いてみえる。1273mには竜門山という手作りの新しい道標が立てられていた。竜門峡の遊歩道終点あたりからそびえて見える山なのだろうか。つぎのポコの古部山は徳並山をへて甲斐大和駅の裏に続く尾根との合流点だ。最初はこの尾根から登ろうと思ったのだが、少し長いルートになるため竜門橋から取り付く尾根で時間を短縮したしだい。

緩やかな尾根歩きが続き、カラマツの植林帯となる。するとそこに幾筋も枝を伸ばしている大きなブナがあらわれた。根元から枝分かれしているため無用の木とされたためか伐採されずに残ったのだろう。嬉しくなってそばに駆けよる。駆け寄るだけでなく、つい登ってみたくなる。

 

 

三角コンバという変わった名前の地点がある。コンバの語源はわからないけれど、そういえば以前小菅川本谷を遡行して詰め上げたところがフルコンバだった。小さな峠みたいな意味なのかなと思う。1459.9mは今回の山歩きの最高点だ。ここにも境沢ノ頭という手作りの標識があった。伐採されたのかポコは見晴らしがよく富士山の展望もまずまずだ。コースタイムもほぼ予定通りで一安心。少し長い休憩をとる。

さて、ここからのルートが少しややこしい。さっそく明瞭なトレースとテープに引きずられて東によった尾根を下ってしまう。これまでもずっとテープがあったので、読図不要でがっかりなどと冗談をいっていた油断だった。明瞭なトレースは嵯峨塩温泉方面につながっているのかもしれない。私たちは林道を横断して宮宕山へ向かうのだ。

急にルートが不明瞭になるが、コンパスとGPSを使って北向きの急斜面を下る。しばらく下ると道らしい形になり林道に降り立った。林道が尾根を分断している。林道を少し進むと尾根に乗り上げる薄い踏み跡があった。鞍部でふたたび林道を横切って尾根を登りきると1362mの宮宕山。針葉樹林の小さなポコで標識も何もない。

しだいに登山道らしくなり歩きやすくなる。ここからは山梨百名山の棚横手山へ向かう。当然登山道となり歩きやすい。途中の展望ポコからは大きく裾をひく富士山と幾重にも重なる山並みが見渡せる快適な尾根歩きとなる。棚横手山頂には立派な標識が立っていた。この山域は過去何度か山火事に見舞われたとのことで、山火事注意の看板も。見晴らしがいいのはそのせいもあるようだ。斜面は一面ススキの原となっている。

つぎの山、甲州高尾山へは富士山と前衛の墨絵のような山並みを背景とした尾根筋を見下ろしながらの気持ちのいい尾根歩き。標高を下げながらの山頂なので甲州高尾山といってもふう〜んとなってしまう。隣には剣ヶ峰というまた大業な名前のポコだ。だらだらと平坦地をたどってきた剣ヶ峰なのでピンとこないけれど、きっと麓からは尖ってみえるのかもしれない。

確かに急斜面の下りとなる。下りきった鞍部から少し登り返したコブからが最後の要注意だ。今回は登山道をたどってぐるりと回り道するのではなく、勝沼ぶどう郷駅にダイレクトに落ちる尾根を下る。古い標識のあたりから伐採後の枝が散乱する斜面に下っていくと次第に尾根筋があらわれる。微妙な分岐では方角を確認するが、予定していた尾根を外してしまう。とはいえどこを下っても麓に降りれる安心感。結局間違ったと思った尾根でよかったのか降り立つとすぐにゲートとなり、ぶどう畑につけられたコンクリート道の終端にでた。あとは眼下に見える駅を目指しててくてく車道を歩いて駅についた。

 

 

竜門橋8:10ー古部山10:15ー境沢ノ頭11:20ー棚横手13:15ー甲州高尾山14:30ー勝沼ぶどう郷駅16:05