ブナの沢旅ブナの沢旅
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2011.04.21
仙元山~乳頭山~中尾根~森戸川渓谷
カテゴリー:山歩き

2011年4月21日

 

暇にまかせ、ふと思い立って午後の半日「三浦アルプス」を周遊してみた。ようやく外出する気力が出てきた先月の末、何年ぶりかで逗子の森戸川渓谷を散歩していたときのこと。

林道終点の二俣のベンチで休んでいると小尾根から単独のハイカーが下ってきた。よく見ると、尾根のとりつきには乳頭山へという小さな手書きの標識があった。興味をそそられ、持ってきた三浦半島全体をカバーした大きな2万五千分の一地図(歩き始めたころは国土地理院の地図を知らずに買い求めた地図だが、多くの情報が盛り込まれていてとてもいい地図だと褒めてもらった。人文社発行)を広げ、コースを教えてもらった。仙元山から乳頭山へ続く南尾根や、谷を挟んで反対にある中尾根は味わいがあってとてもいいコースだという。

そんなことがきっかけで、いつか歩いて見ようと思っていたのだ。急遽決めたハイキングだったし、近くの低山歩き。気軽さのためか、京急が出している簡単なハイキング地図だけしか持たず、コンパスもカメラも忘れてしまう。念のためと、間際にGPSをザック放り込んで昼前に家を出た。

逗子駅からバスを乗り継いで歩いても、12時半には出発点の仙元山へ。100m強の小山ながら海を見渡すとても展望がいい山で、以前冬に来たときは相模湾越しの富士山がとても美しかったことを覚えている。ここでコンビニの弁当を食べて新緑がきれいな登山道を軽快に歩き始める。

ところが最初の二俣でさっそく道を間違えてしまう。ハイキング地図でもメインルート以外に多くの道が点線で示されている。どれも歩かれているらしいいい道なので、うっかりしているとすぐに引き込まれてしまうのだ。

けれど最初は序の口。すぐに気づいて軌道修正できたが、つぎの分岐が要注意だった。なにしろ気軽に考えていたのか、道なりに進めば問題ないと思っていた。途中で登ってくるハイカーともすれ違った。ところが海を見渡す展望広場にでて、ようやく??おかしいと気づき、GPSを見るとまったく違う方向を歩いていた。初っ端からこれかよーと、とたんに士気がさがる。一瞬もう帰ろうかなーとも思ったが、それではあまりにも情けない。気を取り直して間違った分岐まで戻ってみると、確かにこれじゃあわからない、という地形だったが、地図にはしっかり注意書きがしてあった。トホホ・・・

それからはとくに問題なく進むが、さすがに用心するようになる。小さな石像が置かれている観音塚を越え、ドングリの大木が並ぶ尾根を進むと森戸川二俣へ下る尾根の分岐となる。さらにしばらく進むと小さなポコへ。ここで三回目の間違いをする。二俣になっていると気づかず、視線に入った明瞭な道を進んだ。少し道が狭くなるが、それは南尾根の奥に入ってきたからだと勝手に解釈。

けれどだんだん藪っぽくなってきた。ふたたび?? GPSで確認すると、またもや違う尾根に入っている。ええっ、どうして、と思いながらポコまで戻る。そしてよく見ると、東方向に一見視野に入らない急傾斜で下っている道があった。ヤレヤレだ。正しいルートは快適で、道沿いはずっとヤマブキが群生していた。深い黄色のヤマブキが咲き乱れるとてもステキな道で嬉しくなり、ようやく心が晴れやかとなる。

考えてみれば、今年はフクジュソウとミツマタの山歩きをしている。そして今回は予期せぬヤマブキの山歩き。このように花山行を重ねるのは初めてだが、これから年を取るにつれ、もっと花の山を知りたくなるのかな、などと思いながら乳頭山へ。

なんの変哲もない小山だが、一ヶ所東京湾側の展望が得られる所で休憩する。眼下には横浜横須賀道路が走り、コンビナートや町並みが広がっている。それなのにここに至るまでは、低山ながらとても山深く自然の森が保たれていたことに気づかされる。

さあ、下山路はどうしよう。田浦に下れば相模湾から東京湾へと、三浦半島縦断ルートとなる。ルートとしてはすっきりと美しい。東逗子駅へ下れば最短コースで、ほとんど車道歩きがない。すこし迷ったが、まだ時間も十分あるので、やはり予定通り中尾根を歩いてみることにした。

途中何度も紛らわしい分岐があるが、こちらは同じ人が書いたと思われる古い手書きの道標があった。南沢に中沢、ツバキ尾根コースなど、本当にマメに歩かれているようだ。前半に歩いて来た南尾根は常緑樹が多く、少し暗い雰囲気だった。一方中尾根は、地図で見てもあまり明瞭でない小さな痩せ尾根だが、ほとんどが広葉樹林。芽生えたばかりの新緑が鮮やかで、ちょっとした日本庭園風の雰囲気のいい尾根歩きだ。愛好家がいるのも頷ける。

だらだら下り、最後は植林帯に入ると見覚えのある川原のベンチが見えてきた。小さな尾根とはいえ、なめてかかったしっぺ返しを受けたので、小さな冒険が終わってほっとした。森戸川渓谷沿いや山の斜面にもヤマブキが多く、芽吹き始めた緑に鮮やかなアクセントを添えている。見飽きることがない景色を楽しみながら林道ゲートへ到着して周遊コースを締めくくった。

あなどれない三浦アルプス。2万5千の地図とコンパスという山歩きの基本は、どんな山でもないがしろにしてはいけないと、あらためて思い知らされた。そういえば、以前茅ケ岳に行ったときも、有名な山だからと参加者全員が昭文社の登山地図しか持たず、地図にない林道に迷って反省したことを思い出した。

また冬にでも違うルートで日溜まりハイキングを楽しみに来てみようと思いながら逗子駅行きのバスに乗った。

風見橋バス停下車12:10-長柄交差点前バス停16:45