北蔵王連峰縦走顛末記

2月11−12日に北蔵王連峰の縦走を計画しました。なにしろ厳冬期で初めての山域です。計画段階から半信半疑の状態で、天候と雪の状態次第であわよくば。。。と、かなり「無謀」な計画だったと思います。出発は朝東京発と、のっけから本気度が感じられません。

天気予報では珍しく東北地方も高気圧にすっぽり包まれる好天のはずだったのに、山は強風の曇天。声に出さずとも予定変更の雰囲気をただよわせながら、とりあえず笹谷峠をめざしました。稜線はさらに強風で、前日の新雪で雪の状態もよくありません。地元の経験者のアドバイスもあり、縦走は中止しました。荷をデポして行けるところまでピストンすることにしました。

最初の峰であるカケスガ峰に乗ると雁戸山がガスの切れ間に見えてきました。小振りながら美しい鋭峰です。とくに危険箇所はないので行けるところまで進み、山頂直下の急登前で引き返しました。結局この日は誰も雁戸山に登れなかったようでした。

山の天気の法則通り、下山を始めるとようやく天候が回復し、笹谷峠の北側に連なる山形神室から大東岳の展望を楽しむことができました。どちらもちょうど今の時期に登っている愛着のある山たちです。

この日は笹谷峠近くの山工高小屋を利用させてもらいました。夜はすごく冷えたので小屋の中でテント泊となりました。こんなことになるだろうと、翌日のプランに抜かりはありません。

早朝に下山後、蔵王温泉に向かい、ロープーウェイで一気に蔵王山頂駅へ。さすがに蔵王。平日なのにスキーヤーやボーダラーで大にぎわいです。シューハイカーもちらほら。まずは熊野岳に登ります。昨日とは打って変わって快晴のもと、正面に朝日連峰、左手に吾妻と安達太良。奥に飯豊。右手には月山、鳥海山も霞んで浮かんで見えました。すばらしい展望です。

さて、ここからはトレースのない名号峰をめざします。雄大で穏やかな山並みを見渡しながら、静かな展望の山歩きを満喫しました。今まで蔵王は敬遠していた感がありますが、ひとたびメインコースを外れるととてもいい雰囲気の山歩きが楽しめるのだと実感しました。

計画では北蔵王縦走コースを南下して到達するはずの名号峰へ。ここまでくると雁戸山から避難小屋のある八方平が指呼の間です。高望みした美しい双耳峰を心ゆくまで眼に焼き付け、再訪を願ったのでした。まずは無雪期に縦走することから始めるのが筋ですね。

最後は峩々温泉方面に下ります。ゆったりとした気持ちのいい山歩きがたのしめるコースなのですが、地形が入り組んでいて積雪期は読図が必須です。そんなこんなを楽しみながら無事に下山いたしました。

怪我の功名とでもいうのでしょうか。当初の計画があっけなく頓挫したおかげで、たぶん一義的には計画することはなかっただろう蔵王連峰の魅力を感じることができてよかったと思っています。

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コメント

  1. 槇茂 より:

    八方平でお釈迦様に説法をしたmakiです。
    余計な話をしてしまったと反省しております。
    山人モコモコさんのお知り合いと知っていたら・・・
    お二人の山行実績も知らず
    まったく余計なアドバイスをしてしまい、失礼いたしました。
    私の真意は、「2月11日の積雪の条件が悪かったので、南雁戸山を越せるかどうか心配」でありました。
    また蔵王にいらしてください。

  2. akiko より:

    makiさん
    よくこのサイトを見つけて下さいましたね。ありがとうございます。
    山人さん達ともお知り合いなのですか。。たぶん山形では翌知られているのかも。。。

    あのときは的確な「説法」をしていただいたおかげで、結果的にはとても有意義な山歩きが
    できました。翌日、熊野岳から名号峰を歩くことができたのですから!!最高の展望と
    ゆったりとした雰囲気がとても気に入りました。

    雁戸山越えはまたタイミングをみてトライしたいと思っています。今回はdiscover 蔵王という
    感じでした。山形はいい山がたくさんあって羨ましいです!