みちのくの千年ブナ古道 仙北街道を歩く

自分がHPを持っていることを忘れるほど間があいてしまいました。

夏の一ヶ月半は別の世界に集中し、やるべきことをやって一段落。さあ山へ、と思った矢先に台風襲来。大きな被害が連日報道される中、沢に行くことが適切とは思えず、数年来の懸案だった仙北街道がよみがえったのでした。

高桑さんの「古道巡礼」で仙北街道を知って興味をもち、2010年の5月に計画しようと東成瀬村から資料を取り寄せたりして調べました。けれど当時は岩手側の胆沢ダムが建設中で下山道の確保がむずかしいことがわかり、断念した経緯がありました。

仙北道の歴史は平安時代にさかのぼります。胆沢城を築城した坂上田村麻呂が出羽国の雄勝城に通じる最短ルートとして開いた道だといわれています。そんな千年古道が地元有志により1990年代によみがえりました。簡単には行けない山域です。核心部分を日帰りで歩くのが一般的のようですが、山中泊で全行程を歩くことにしました。

山を越えて沢に下り、一夜を過ごしてふたたび山越えをする。。。こんな山旅を常々理想としていたので、仙北道はコンパクトながら変化にとんだ山旅となりました。石碑が所々あるだけで途中に標識はありません。古道の雰囲気を守ろうとする意図がうかがえました。

そしてなによりも素晴らしかったのは、ほとんど全行程がブナの道だったことでした。初日は天気に恵まれ、ブナの森は明るい新緑の雰囲気を感じさせてくれました。小出川に降り立つと、しばし沢歩きとなりました。沢靴に履き替え沢に入ると水をえた魚の気持ち。沢の要素が入ると山旅も変化がでて豊かになります。

翌日は沢沿いの古道ではなく、短い間ながら純粋に沢歩きを楽しみました。変化にとんだ沢でナメ滝や小滝が続きました。そして再び尾根を登り、ブナの大木が多い快適な山道を忠実に尾根に沿って岩手側に向かいました。

フィナーレに近づくと2年前に完成したダム湖が見えてきました。かつての古道終点とは地形が変わっているので興味津々だったのですが、降り口の標識を見て唖然!笑っていいのやら怒るべきなのやら。。。(後日の詳細記録へ)

最後にちょっとしたオチがついてしまいましたが、久恋のブナ古道を踏破できて幸せでした。

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