君に会いに〜ミステリーハイク

先週滞在していたとあるリゾート地はずっと雨でした。そして帰って来たら今度はこちらが雨だって。私っていつから雨女になったんだろう〜。連休の東北は荒れ模様。山は雪だそうです。すると突然関東だけが晴れ予報にかわったのでした。

急遽あれこれ行けそうな山を考えます。こういう時って頭の回転はコンピュータよりも早いのではないかと思うくらいに、あれこれプランが浮かびます。そして急に、あの道をたどって君に会いに行くっていうのはどうだろう、と。山トモに打診すると、ちょうどキノコ偵察で近くまで行ったときに気になった道だというではないですか。ということで、瞬時に話がまとまりました。

今は廃校となった小学校が、今回のミステリーハイキングの出発点です。校庭の脇には古いけれど頑丈そうなトロッコが。古い木造校舎もトロッコも、みな役目を終えてたたずんでいます。私たちもそんな黄昏時期にさしかかっているんだわ〜なんて哀愁を感じながらタイムトリップです。

紅葉でにぎわう山域ながら、君へとつづく忘れられた経路は静かにひっそりと淡い紅葉につつまれていました。古の経路はいまだ色鮮やかな落ち葉で覆われ、茜色がとても美しいと思いました。時々苔むした石垣があらわれ、炭焼き跡もありました。

水平道は何度も小尾根を回り込みます。そして回り込むたびにあらわれる新しい景色にときに感嘆の声をあげ、しだいに別世界に引き込まれて行くのでした。時々樹林越しに以前歩いたことのある尾根も見えます。今回はあえて遠回りの未知のコースを選びました。ほんとうはもっと簡単に君に会える手だてもあるのですが、なぜかこの未知の経路を歩いて君に会うというテーマが頭から離れなくなってしまったのです。

大きな倒木に椎茸を見つけたトモ。キノコとなると性格が変わってしまうのです。ふたたび歩き始めてしばらくすると明瞭だったトレースが怪しげになり、ついに急斜面となってしまいました。ようやくおかしいと気付きますが、探してもらちがあかないので尾根に上がることにした所、随分高い所に道を発見。よかった〜と、先へ進みました。展望がいい訳でもなく、なにもないのですが、歩くだけで気持ちが落ち着くような経路です。

そして突然の行き止まり。行く手が崩壊していました。上も下も巻くこともままなりません。いつも携帯するロープを置いて来たことが悔やまれます。途中道迷いもあって予想以上に時間もかかっています。地図をみるともう少しのような気もしましたが、ここで引き返すことに決めました。そして、このこだわりの道からは君に会えないことがわかりました。きっともう長らくだれも歩いていないのでしょう。来年の新緑のときに、下から沢をたどってきっとまた来ようねと、自分とトモと君に約束。

途中どこで道をはずしたのかを確かめるため、来た道をもどることにしました。トモ曰く「こういうときakoさんくやしがるからね〜、近いんだから行って確かめておいて〜なんていわれかねないよ」

そうなのです、前例があるから。何年か前に八ヶ岳の河原木場沢を遡行して大滝を巻き終わった着地点が特定できずに納得いかず、地元に住んでいる同行者に確かめに行くよう無理をいったのでした。トモはこの話を覚えていたようです。

そして外した場所がわかりました。冗談で、きっとキノコのせいよ、あの倒木の所よ、と言っていた通りでした。大きな倒木でジグザグの折り返し点がふさがれていたため、注意が折り返しではなく前方に向いてしまったのでした。予想通りだった私は鬼の首を取ったように大得意顔です。あっ、また道迷いを人のせいにしている。わかってるけど、ついいいたくなるのだー。

これで胸がすっきりしたので、君に会ってから食べるはずだったかき揚げうどんを作りました。これは雪辱戦でもあるのです。去年の暮れに気持ちのいい雪尾根ハイキングをした時、張り切って温かいラーメン作るからお昼ご飯はまかせといてーといっておきながら、自動点火が壊れたことを忘れてライターを持ってこなかったため、お預けとなってしまったからです。

あとは来た道をもどり、最後だけちょっとコースを変えて直接小学校の裏手から校庭におりました。ただいま〜とトロッコから降り立った気分です。もったいぶらず平たく言えば、軽いハイキングであっという間に敗退です。でも、今回はどこでもいいから歩きたかったので、行き先は問題ではないのです(ほんとかなー)。君には会えなかったけど、だからこそ来春のプランが一つ出来上がり、トモとも約束しました。山にいくと次の山が見えてくる。これが大切なのですよ。

なんだか不思議なハイキングとなりました。存在するけれど抽象的に君を思い描き、どこに行ったのか今となっては忘却の彼方です。そんな馬鹿な〜。でもたまにはそんな山歩きもいいものですよね。(だから今回は雑記帳のみ。来春に出直した時はきちんと記録を掲載します)

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コメント

  1. kuken より:

    この雑記帳より、わたしの記録の方がキーワードも画像も分かり易く
    君への径路を特定できると思うのだけど・・なぜか?訪問者少ないのよね~(笑)

  2. akiko より:

    う〜ん、あの書きぶりではね〜って、人のことは言えませんけどね。どこへ行ったかわからないのは
    山行記録として成り立たないかもしれない。。。
    時々場所は某所とかで明かさない記録みると、ならば載せなきゃいいのにと思ったりするけど、
    その言葉、そっくり自分に跳ね返ってくるね。
    今回は書くことないのでちょっと遊んじゃいました。だから雑記帳で終わり。
    来年の春にまた行きましょうね。指切りゲンマイ〜

  3. kuken より:

    初の快挙に気持ち良くケジメ。

    わたし的にはジャンルも山域もイマイチだったからね~
    これからは「その他・キャンプ」で雑記帳・備忘録路線で行く事にしました。
    アドバイスありがとね~  アーすっきりした!

    指切りゲンマイ? ゲンマンだと今迄思い込んでいたのだ(笑)

  4. akiko より:

    指切りゲンマン、って入れたつもりだったのです。あらためて
    ゲンマンって、どういう意味だろうね。
    でも山にもパタゴニアにも行けて、いい週末だったでしょ!