台風の贈り物

先週は超大型台風8号の上陸や被害状況が連日報道され、木曜日から金曜日にはいよいよ関東に接近ということでテレビはどこも台風ニュースばかりだった。そんな状況なので週末の山行を考えるような雰囲気でなかったが、金曜日の朝目覚めると雨はやんでお日様がでていた。

ちょっと拍子抜けした気分になり、天気予報を見ると日曜日まで晴れマーク。ならば急遽どこかへ行きたいと思った。すると普段は日曜日しか休日が取れない山トモが、台風のおかげで仕事が休みになり3連休になったのだと言う。

こんなことは年に一度あるかないかの好機だ。さっそく沢泊まりを提案し、あれこれ引き出しをひっくり返す。そして山トモがまだ遡行していない豆焼沢に決めた。私は3度目だが、とても美しい沢なのでまた行きたいと思っていたし、ぜひ山トモにも遡行してもらいたかった。ということで、決めた当日慌ただしく支度をして夕方出発となった。

さて、その豆焼沢。台風の影響で或る程度の増水は予想していたが、増水するとどれほど大変かはよくわかっていなかった。普段はヒタヒタと幸せ気分で歩けるナメも緊張で目をつり上げながらの遡行。ガイド本の表紙をかざっている美しい大滝も怒号の滝と化していた。

何でもない所でも水勢にエネルギーを奪われ、登れる滝も登れず巻きの連続。なんとか予定のテンバに着いたときには心底ホッとした。そしてずっとお預けになっていた焚き火を思い切り楽しんだ。台風のおかげで、こんな風に予期せぬ充実した沢遡行ができたことがうれしかった。

そんなわけで、週末に書こうと思っていた赤留川と額取山の山行記録は手つかずのまま週をこしてしまった。月末に引っ越しを予定しているので何かと準備もかさなり、しばらくは滞納状態が続きそう。おかげで、1年前のこれからの1ヶ月を思い出してメソメソする余裕がなくなるなら、かえってありがたいことかもしれない。

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