2012年のブナの沢旅

今シーズンの雪山は天候の巡り合わせが悪いこともあって、2011年とくらべると全体として地味な山行となった。そんな中で最も印象深かったのは3月初旬の船形連峰の縦走だ。冬の船形は遠く3度目の挑戦だったが、ブナの霧氷に覆われたたおやかな山並みの稜線漫歩は「ブナの沢旅」らしい雪山となった。

ただ、5月連休の神室連峰が悪天で撤退となったのは残念だった。毎年この時期になけなしの3日間の山行を続けてきたのに今年はかなわなかった。大きな宿題として心残りであり、また出直したいと思う。

沢シーズンでは再び楢俣川に入って後深沢から尾瀬を見下ろす稜線に立ったことが印象に残った。楢俣川から尾瀬へは他にもいくつか魅力的なルートがあるので、毎年入渓したい山域だ。

そして今年の夏に、ようやく沢からたどる和賀岳が実現した。大鷲倉沢は変化にとんだすばらしい登路となった。やはり日数をさいた沢ほど思い出深くなるもの。3日間を確保することさえ難しいのが現状だが、来年こそはまだ経験していない3日以上の長旅を計画したい。

また今年は、雪山と沢で単独のテント泊を実現させたことは自分にとって大きな前進だった。来年は肩肘をはらずに単独行を楽しめるようになりたいし、縦走もしてみたいと思う。

けれど挑戦すればリスクも高まる。落石による滑落骨折事故を起こしてしまった。初めてのことだ。幸い大事に至らずにすんだが、リスク管理、安全対策について多くのことを考え、学ぶ貴重な機会となった。

経験も体力も技量もそれほどない「けっこうな年齢」の自分が、今年も憧れの沢や雪山を実現させることができたのは、ひとえに同行してくれた山仲間のおかげなのだ。どれもかけがえのない山行だと感じている。

だから(ブログ仕立てで軽妙な口調で記した方が今風なのは重々承知のうえで)、これからも愚直なまでに丁寧に記録に残して大切な宝物にしていくつもりです。

一緒に山に行ってくれたみなさまへ、アリガトこれからもヨロシク!!

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