「懐かしき南会津」~今年はもっと南会津へ!

年末に注文していた本が元旦に届いた。最近は元旦でも配達するのかと意外だったが、今年最初に手にした本が佐藤勉著「懐かしき南会津」であったことは、今年のブナの沢旅の想いを象徴しているようだ。

著者はかつて南会津に多くの先駆的な足跡を残しており、その記録は「我が南会津」としてまとめられている。その時に目にした山村風景や人情については山行記録の性格上あまり語られなかったが、大きく変った山里を目にして「穏やかで美しかった」当時の山村風景の写真を残したいと願った。それが「懐かしき南会津」として本になった。とくに今ではほとんど消滅してしまった茅葺屋根の山村風景の写真が多く掲載されていて興味深い。戦後の高度経済成長の時代に至っても南会津は最後まで残された「秘境」だったのだ。

南会津と口にするだけで特別な気持ちがわいてくる、不思議な魅力を持った山域。何年か前、ようやく手に入れた「我が南会津」を地図を広げてむさぼり読んだ。残雪期の縦走や沢の遡行記録のすべてが憧れの対象となった。私にとっては南会津のバイブルなのだ。その補遺ともいうべき写真記録集が出たことを心から歓迎したい。

昨年は東北に足繁く通ったが南会津の山には行けなかった。春山の計画をしたが天候不順で流れた。7月と9月の台風で会越方面は壊滅的な被害を受け入渓、入山ができなくなった。 丸山岳に登るために春と秋に歩いた黒谷林道が崩落したことを知り愕然とした。そうしたこともあって足が遠のいてしまったが、今年は昨年の分を取り戻せるくらいに訪れたいと願っている。「懐かしき南会津」はそんな気持ちをあらためて思い起こさせてくれた。

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