金城山皆沢川

2009年10月11日

当初は、三国川の支流である芋川ジロト沢をベースキャンプ方式で二本登ろうという予定だったが、スラブ登りなので雨上がりは不安な上、何よりも、いきなりジロト二本は荷が重かったし、今年中に皆沢川に行きたいし・・ということで、変更してもらった。

皆沢川は1月にスノーシューでラッセル山行をした金城山に突き上げる沢なのだ。9月の丸山岳につづき、雪山と沢をつなぐことができた。

越後湯沢駅で待ち合わせ、初顔合わせのchieさんと共にsamさんの車で金城山の滝入コース登山口へ向かう。林道終点の駐車スペースにはすでに車が何台か止まっており、マイクロバスで乗り付けた大グループが歩き始めたところだった。

紅葉には少し早いが、意外と人気の山らしい。以前所属していた沢の会のYさんとばったり出会う。雨模様のために予定を変更してやってきたとのこと。

橋を渡ってしばらくは登山道をすすみ、2合目付近で沢を横切るあたりから入渓。小滝を越えるとすぐに前方に大滝が見えてきた。予想以上に迫力がある。直登はできないが、右岸の潅木伝いに登って落ち口へ。その後も次々と小滝や樋状滝があらわれるが、すべて快適に越えられる。

このころからときどき小雨がちらつくようになるが、気になるほどではない。小滝が一段落すると緩やかな階段状の滝やナメ滝となり、渓相はエレガントになって好感触。上機嫌で進んでいくと長いナメとなり、期待以上の美しさだ。

あまり遡行されていないようだが、丹沢あたりにこんな沢があったら人気の沢になるだろうと思う。670m付近で再び登山道が横切リ、これから先は沢から離れていく。

2条5m滝を右から小さく巻くと再び小滝が続き、少しテクニカルな滝もあらわれるようになって楽しい。750mの二俣を左に進むと前方が開けて稜線が望めるようになる。

しだいに高度を上げ始め、数メートル規模の滝が途切れることなくつづく。まったくもってこの沢には川原というものがないのだ。登れそうにない5m滝があらわれ、巻きもいやらしい。Samさんがツルツルの草つきを巻いて上からロープを出してくれたが、倒木を手がかりに途中まで登って行き詰ってしまう。

足がかりのない滝のごぼう登りの要領がつかめていないことを指摘される。ロープを信用して懸垂のように足を突っ張ればいいらしい。宿題となってしまった。

参考にしたトマの風の記録ではまとめて巻いていた3連瀑もロープを出してもらいほぼ直登。一箇所だけ小尾根に乗ってから懸垂で沢床に下りた。だいぶ時間をとって苦労もしたが、目いっぱい遊ばせてもらった。1200mあたりからようやく源頭部の様相となり、枝沢を左へ、左へと進むと沢型が消えて薄い藪の急登となる。

くたびれ始めたころ、ひよっこり登山道に飛び出した。けれどガスっていて山頂がわからない。一番高い小さな平坦地まで進んでここが山頂だろうと確認したのち、避難小屋へ向かう。

1月に来たときはほとんど雪で埋まっていた避難小屋がなつかしい。ここの雪庇の下で銀マット敷いてツェルトを被ってお茶で温まったねと、samさんと思い出話。

雨と滝登りで濡れてしまい寒くてたまらない。中でスープとお茶を沸かして暖をとりながら休憩。予定よりも時間がかかってしまい、他の登山者はみな下山したあとのようだった。

下山を始めてすぐにあらわれた岩峰帯は迫力満点。雪山のときにいきなり眼前にあらわれて度肝を抜かれたことを思い出した。あのときのトラバースは緊張したなあと思いながらクサリ場を通過。

足場がぬかっていたので沢靴のまま下山したためすべることこの上ない。それでも、色づきはじめたブナ林にときどき足を休めて心安らぎ、samさんが見つけたキノコ(クリタケ、キクラゲ、ヤマブシタケ)に小躍りしながら、何とか暗くなる前に車に戻ることができた。

そのまま近くのさくり温泉に直行。さっぱりしてから翌日のジロト沢へ続く野中林道終点で幕営後、samさんが用意した鍋宴会をする予定だったが、予定よりも下山が大幅に遅れ疲れてしまったので、温泉につかりながらchieさんと共謀して温泉のレストランで夕食を済ませてしまおうと直談判。samさん、ゴメンね。

みなさわ2 みなさわ1

滝入コース登山口8:35-二合目入渓点8:50-750m二俣10:30-金城山14:10/40-滝入コース登山口17:30

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