2009年6月3日
先週につづき今週も出張で週末がつぶれてしまう。ドコカに行かないと気がすまない、でもただのハイキングじゃあ気がすまないということで、奥多摩の簡単な沢に行ってきた。単独の沢なので行き慣れている丹沢にしようかとも思ったが、できるだけ初めてのところをトライすることに。これも自立をめざす小さな一歩なのだ。
現地につくまでは、眠くて体がだるいし天気も下り坂だしと、いろいろな理由をならべて士気が上がらなかったのだが、ひとたび足を水につければ、もう沢の世界にドップリ。
沢とはいえ、長倉谷は蕎麦粒山へのバリエーションルートくらいにしか思っておらず、ハーネスもヘルメットも持っていかなかった。けれど予想以上に小滝が続き、十分沢登りを楽しむことができた。まあ一人ですから、ちょうどいい按配だ。
シャワーをいとわければすべての滝を直登できるし、初心者が沢の面白さを体験するにはいい沢だと思った。ただー、ただ最後の詰めがちょっとつらいかも。この沢の核心といえるのでは。これさえなければ楽しいだけで終わるのだが、詰めの悪さは沢にはつきもの。まあいいトレーニングになったと思うことに。
下山路はいくつかルートがあるが、一杯水避難小屋をのぞいてからヨコズス尾根を下った。ミズナラやブナの大木が点在する新緑がきれいな尾根でとても歩きやすく、下の植林帯も間伐が行われて整備されていた。前回の浅間尾根もそうだったが、これまでなじみの薄かった奥多摩には、いいコースがたくさんありそうだ。
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奥多摩駅から日原鍾乳洞行きのバスは平日にもかかわらず満員で驚いたが、大半が大人数の団体だった。ざっと30人位はいた年配の団体とは帰りのバスでも一緒になってしまう。元気で賑やかなのはよろしいのですが、耳に入る会話といえば、200だか300名山攻略の話ばかり。どうもこのグループでは100名山は当たり前らしい。
「xxさんが計算したところ、300名山やるには1000万かかるらしいですよ」
「ほう、一座3万ですか」
「まあ、最初はまとめていけるから効率いいんですけど、とりこぼしをやっつけるのが手間がかかるんですねー」
「100名山はたくさんツアーがありますけど、200、300となるとそういうわけにもいきませんからねー」
「xxさんが募集したxxコースは人数が集まらなくてキャンセルになったそうですよ。なんでも十数人しか集まらなかったとか・・・」
聞いていたわたくし「!!!???」
という貴重な異文化体験も含め、楽しい沢ハイキングだった。沢の単独山行はリスクも高まるのでできれば避けたほうが望ましいのだけれど、一人で行ってこそ得られるものも大きい。
自然と一対一の関係を持てるのは素晴らしくもあり、でも時に心細く怖いもの。みんなどうやって克服しているのかな。私もいつか心から一人で楽しめるようになれるのかな。でもやっぱり誰かと一緒がいいな。こんなアンビバレントな思いを抱きながら奥多摩を後にした。
倉沢バス停8:30-地蔵橋先の入渓点9:25/45-二俣11:15/30-登山道12:55-一杯水避難小屋13:45/14:05-東日原バス停15:25